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《(自分ターン)》/用語・ルール 定義 ( )の後ろの値のコストを支払えば、自分ターンの好きなタイミングで効果を発生させられます。 0の場合は宣言のみで効果を使用できます。 コメント (常時)に「自分ターンだけ」という制限がついた起動効果。 ただし自分ターン中でありさえすれば、(常時)やコマンドカードのようにいつでも使用することが出来る。 能動的に使用するだけでなく、これを使って干渉することも可能。 詳しくは「ゲーム進行」や「干渉」を参照。 現在(自分ターン)を持つカードは キャラクター、幻想生物 因幡 てゐ/1弾 森近 霖之助/1弾 蓬莱山 輝夜/1弾 秋 静葉/3弾 レイラ・プリズムリバー 符ノ壱“霧雨 魔理沙” 符ノ弐“魂魄 妖夢” 符ノ弐“霧雨 魔理沙” 符ノ弐“西行寺 幽々子” 玉兎/5弾 蓬莱山 輝夜/5弾 古明地 さとり/5弾 友邦の科学チーム 宇佐見 蓮子/7弾 リグル・ナイトバグ/7弾 河城 にとり/7弾 村紗 水蜜/7弾 フランドール・スカーレット/7弾 真紅の魔神チーム 信仰の神風チーム ルナチャイルド/9弾 火焔猫 燐/9弾 霊烏路 空/9弾 古明地 さとり/9弾 永江 衣玖/9弾 恨霊『スプリーンイーター』(幻想生物) 装備、呪符、世界呪符 冥符『紅色の冥界』 罔両『ストレートとカーブの夢郷』 三稜鏡 河童『のびーるアーム』 舌切雀『大きな葛籠と小さな葛籠』 釣瓶『ウェルディストラクター』 恨弓『源三位頼政の弓』 死符『ゴーストタウン』 封印 奪われた叡智 疑惑の五芒星 宝塔 魔法使いの憂鬱 文々。新聞 となっている 関連 起動効果 (常時) (相手ターン) 自動効果
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映姫3 3スレ目 546-550 546 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/04/17(月) 01 20 08 [ zP5stkOo ] 私は殿方にこのような感情を抱いたことはなかった。 あの人の屈託のない笑みは、私の心に花を咲かせてくれる様で…… 小町に話したら「正気ですか?」と言われたけれど、私も女だ。自分の気持ちに偽りはない。 もう私にはこの気持ちを抑えることはできない。今日こそ告白しよう。 「貴方のことが、す、好きです。付き合って頂けませんか?」 春日部市民「ん~。けどオラ年上にしか興味ないんだよね~。じゃ」 ,...‐、,__,,__,,....-...、 i'´ r '" `ヽ、 ', ヽ"ニ 7'"T 、ィ ‐, 7,...-'..‐ ァ r 、' ..-'‐; ニ ̄`''└ニL`ト-、 / ヽ. `ヾ、 、_r_7 ヘーヘ __ `''/゙i,. ‐ ''7 i ̄ ヽ. i `!⌒ T ン'" ノ , ‐'"´ヽハ ハ. ン' ‐゙、,., ヽ / /"! ,. ヾ/// i ヽ, / '‐ '7 / l -ェ _`ノ//,ヽ、 '7‐ォ' ヽ l / / ▽i r‐,.-―‐-、´´'', ',_ノ  ̄ ', ィ〈ゝ、V i /`ー ./ rーゝ ,.イ'./ ` '' - ... ィヽ、 _,. /-‐, l 7`ー'ヽ,/ ( ) ヽ ´/''i、 /  ̄ / ( ) ヾ ` さて、裁かれてくるか 550 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/04/17(月) 20 41 22 [ 1VBSgkFo ] 痴情のもつれか? 546に非情な判決! 今日未明、春日部市在住の 546さんが法廷に出廷したところ、 裁判長の映姫さんが開口一番『あなたなんて地獄行きですっ!!』 と、非情な判決を下しました。 弁明の余地もない一方的な判決で、これにはお付きの死神、小町さんも 『あはは……あんたも運がなかったねぇ。せめて映姫様がずっと年上だって 知ってれば、もう少しマシになったかも知れないのにな』 と、 546さんに対して同情するようなコメントを寄せています。 文の新聞みたいな、こんな文章が頭をよぎった。 とにもかくにも、 546さん、GJ。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 722 「お、お腹がすきました……」 ――お仕事お疲れさん。飯でも食いに行くか? 「駄目です。後十分で次の罪人が来ます。珍しく小町が頑張ってるんですから私が頑張らないわけにはいきません」 ――相変わらず真面目だねえ。ま、いいや。なんか作ってやるよ。時間が時間だから本当に簡単なものになるけどな。 「期待しないで待ってます」 ……五分後 「お、美味しい!? 私こんな美味しいもの食べたの生まれて初めてですよ! ○○! これなんて名前の食べ物なんですか?」 ――俺が生まれた国の料理で「お茶漬け」っていうんだ。ご飯にこの袋の中身をかけてアツアツのお茶をかけていただくんだが……いるか? 「く、くれるんですか!? 私に? ありがとうございます!」 ――(お茶漬けでここまで喜ばれてしまった……いろんな意味で泣けてくる) ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 114(うpろだ0016) 「おや? またアンタか。これで二度目だね」 目覚めた先、三途の川で大きな鎌を持った女性に話しかけられる。確か……小野塚小町と言ったか。 「よぉ、久しぶり……って俺のこと解かるのか? 以前と見た目が変わってるのに」 周りを見回すと、此岸には舟を待つ霊魂たち。その中で俺だけは、小町と同じヒトの姿をしていた。 以前、俺がここに来た時は青白い人魂の様な姿だったのだが。 「解かるよ、死神は相手を魂の波長で見分けるんだ。 それにあたいは舟で運んだ人の事を忘れないから。だからアンタの事もすぐに気付いた」 笑顔で得意げに話す彼女は更に、俺の姿が変わった理由も教えてくれた。 魂が死後の世界に慣れたから、生前と同じ形を取るのだそうだ。成るほど、こちらの方がいつも通りに動ける。 「それより、さっさと乗っておくれ。運んであげるから」 手招きする小町に促され小舟に乗り込む。逝き先は無縁塚。俺が昔に訪れた地。 「お客さん、自分の最期を覚えてるかい? よければ訊かせて貰いたいんだけども」 舟を漕ぐ小町が唐突に話しかけてくる。俺は水面に立つ波間を眺めながら応えた。 「あぁ、自分でも驚くほどの大往生だったよ。まぁそれもこれも、全部あの人のおかげだけど」 「あはっ、そりゃあノロケって奴かい?」 「ほっとけ」 図星を指されて照れくさくて、年甲斐もなく鼻の頭を掻いた。 舟に乗っている間ずっと二人で喋っていたが、不意に霞掛かった対岸が目に映った。 「ほら、前より早い到着だ。こりゃお客さん極楽に逝けるかもね」 「いいや、地獄逝きだ。これから閻魔を困らせに行くんだからな」 「はいはい」 小町は苦笑しながら接岸し、俺は舟を降りた。草履が砂利を噛む音が心地よい。 ここからは彼岸花の咲く無縁塚を通り、閻魔様のおわす十王裁判所へ向かう。 俺は小町に手振りだけで挨拶をし、裁判所へと足を踏み出した。 一目惚れだった。お互いに。魂の波長とやらが共振したんだ。そうに決まってる。 あの時は魂魄だったから、体が(霊体が?)ビビッと震えたのを感じたんだ。 六十数年前、大地震が有った。俺の住む町を揺らし、国を揺らた大災害。天災だ。誰も逃げられなかった。俺も死んだ。 気が付いたら目の前に三途の川が有り、気が付いたら小町に呼びかけられ、気が付いたら舟に乗っていた。 気が付いたら裁判所の中にいて――、 気が付いた時、彼女に出会った。その衝撃に、朦朧としていた意識はそこで晴れた。 「貴方の生前の行いは、けして良いものとは言えません。貴方は――」 眼前に進み出た俺に、彼女は喋りながら顔を向け、言葉を止めた。俺も彼女に見惚れていてその場で固まっていた。 お互いたっぷり二十秒は見詰め合ったあと、彼女は唐突に話を続けた。 「……あ、貴方は嘘をつき、盗みを働き、他人を傷つけた。それも繰り返し何度も」 「え、えぇ。自分でも承知しています。閻魔様、俺は地獄へ落ちるんでしょう?」 「話は最後まで聴きなさい。そして私の名は四季映姫・ヤマザナドゥです。覚えておくように」 突然自己紹介された。四季映姫、綺麗な名前だ。話の腰を折っていたが。 「貴方のしたことは罪には変わりありませんが、それは更に他人の為でしたね。貴方は義賊だった」 「そんな大した物じゃな――」 言いかけた所で、異変を感じた。意識が揺れ、体が火を浴びたように熱くなる。 「あぁ、どうやら貴方はまだ死んではいないようです。打ち所が良かったんでしょう。この世に戻れますよ」 「何だって?」 微笑みながら喋る映姫の言葉に俺は驚愕する。俺はまだ生きてるって? 「待ってくれ。生き返るのは嬉しいが、俺はまだ貴女と話がしたい」 「話なら次の死後にも出来ます。それまでは、自分の業や罪と向き合いながら生きると良いでしょう」 穏やかな顔で彼女は言う。まるで菩薩の様だと、その時思った。 「天寿をまっとうしなさい。死後をより良い物にする為に、与えられた命を謳歌する事。これが今の貴方に積める善行です」 「そんなに待ってなんかいられない。 俺は貴女に惚れてしまったんだ! 貴女と一緒にいたい!」 俺は彼女の瞳を見据えて叫んだ。勢いに任せて告白する。この機会を逃したら、次はいつになるか判らない。 「それは……私も、です。閻魔がこんな事を言うのも変ですが、貴方との出会いに運命を感じました。貴方の事をもっと知りたい」 彼女からの告白。同じ想いでいるのが嬉しいはずなのに、状況がそれを喜ばせてくれない。 「ですが、今の貴方の立場では地獄に逝くしか道はありません。そうなればもう二度と会えない」 「だから生き直すのか? もう一度会う為に」 「いいえ、正確にはそうではありません。極楽浄土へなら、私も訪れる事が出来るのです。非番の日に」 悪戯っぽい笑みを浮かべながら、諭すように言う。 「だから、ね?」 その時の俺はさぞかし、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた事だろう。閻魔にも非番があるのか。 だけど、今度は喜べた。彼女は自分の想いの為に俺に生きろと言う。それが嬉しかった。 「……そう言う事なら解かった。少し時間はかかるだろうが、また貴方に会えるのなら」 「えぇ、待っています。私も……」 その会話を最後に、俺の魂は掻き消えた。閻魔の笑顔を記憶に焼きつけて。 現世に戻った俺は、瓦礫に挟まれていた。あちこちの骨が折れているようだったが、心臓は動いている。 遠くで叫んでいる救助隊の声を聴きながら、俺は死ぬまで死ねないな、と笑った。 彼岸花を横目に歩いていくと、赤や緑に彩られた大きな御殿が前方に見え始める。 高さはそれ程でもないが、壁は左右に延び続け終わりが見えない。入り口は外側に向かって大きく開け放たれている。 それはまるで、これからやって来る死者の魂を飲み込もうとしているかの様な威圧感で―― (なんてな……俺にとっては勝手知ったるなんとやら、だ) たかだか一度訪れただけとは言え、俺はこの御殿を覚えていた。そして、彼女の居る場所も。 いっそ威風堂々とした態度で裁判所内を進む俺に対し、他の裁判官が訝しげな顔で呼びかけているが、構ってなどいられない。 こちらは一秒でも早く彼女に会いたいのだ。 人の気配に気付いたのか、彼女は書類の様な物から顔を上げると、俺の事を見て一瞬驚いた顔をして、すぐにため息をついた。 「他の閻魔をすっぽかしていきなり私のもとへ来るとは……貴方ほど徳の無い人間は初めてです」 「大目に見てくれ。こっちは貴女に会えるのが嬉しくて、夜も眠れなかったんだ」 「その割に、最期の夜は眠るように息を引き取ったんでしょう?」 彼女がクスクスと笑うと、緑の前髪がそれに合わせてフワフワと踊る。 「まるで見ていたかの様な口ぶりだ」 「見ていましたとも。もっとも浄玻璃の鏡に映った貴方の姿ですけど」 またクスクスと笑う。その笑顔を見ると嬉しくて、楽しくて、更に言葉を続けようと口を開いたけれど、しかし彼女に遮られた。 「貴方は少し……格好をつけすぎる」 やはり俺は地獄逝きのようだ。愛する女性を泣かせてしまったのだから。 胸に飛び込む閻魔様を抱きしめながら、俺は囁く。 「お待たせいたしました、四季映姫・シャバダバドゥ」 張り倒された。 おしまい ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 129 勉強中、難しい問題とにらめっこしている俺。 すると後ろから映姫様登場。 「何をしているのです?」とか言いながら俺の肩に手を乗せて問題を見る映姫様。反射的に後ろを向く俺。 「いやぁ、ちょっと試験の勉強を…」とか言いつつ内心ドキドキしつつもノートに向き直る俺。 暫く見ていた映姫様。不意に俺の肩から重みが抜ける。 「あまり根を詰めすぎると頭に入るものも入らなくなりますよ」と言って押入れの中に戻っていく映姫様。 そんな激励されてみてぇ( A` ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 309-310 「好きです」 そう言われた俺は思考が止まった。 目の前にいる閻魔の少女は手に勺を握り締めたままじっとこっちを見ている。 一体何の冗談なんだ。 俺はただの人間。この少女と出会ったのも単なる偶然だった。 そんな俺の事なんか彼女は見向きもしない。ずっとそう想っていたのに。 ……もしかして俺の徳を試しているんじゃないか? けれど彼女が最も嫌うのは嘘の筈…… 俺は凍りついた頭で必死に考えた。 「あ………」 ……そのせいで彼女の変化に気付いたのはだいぶ後だった。 彼女は……泣いていた。 肩を震わせて。勺を握り締めたまま。 ……俺の馬鹿。もう答えは決まってるだろう! これ以上彼女を待たせるわけにはいかない。俺は彼女の前まで歩み寄った。 「………」 「………」 どうしよう。声が出ない。 頭が真っ白ってこういう事をいうんだろうな…… 目の前の少女は恐怖と気体の混じったような表現し辛い顔をしていた。 ずっとこのままでいる訳にもいかない。けど声は出ない。 ……俺は覚悟を決めた。 「きゃっ……」 何も喋る事の出来ない俺が思いついた告白方法。 それは抱きしめることだった。 正直これで分かってくれるかは不安だったが。 けど、彼女はそれが俺の告白の答えと分かってくれたのか。 しばらくぼぅっとした後、声を上げて泣き出した。 彼女はしばらく泣いていたがやっと顔を上げた。まだ目が赤い。 「本当にいいんですか?」 「はい」 「私は閻魔ですよ?」 「はい」 「えっと、説教もよくしますよ?」 「構いません」 「えっと、えっと、小町みたいに胸も無いんですよ?」 「くどいです」 「えっと……本当にいいんですか?」 気付いていないのか彼女はまた同じ質問をした。 「はい」 俺も同じように答えた。多分さっきよりはっきりと。 ……彼女はまた泣き出した。 「……あの」 ? なんだろう。 「私、他の殿方とお付き合いした事が無いのでどうすればいいのか分からないのですが……」 ………これって。 「貴方には私の全てを知ってほしいんです」 そう言うと彼女は自らの上着を脱ぎ始めた。 キタ━━(゚∀゚)━━!!!! だが、俺も自慢じゃないが経験は無い。どうすればいいのかも知らない。 固まっていると彼女は頬を赤くして、照れくさそうにはにかんだ。 そして奇声を発して踊りだした。 ジャッジメントジャッジメントォ―――ッ!!!!! -=≡= ,r---、 -=≡= _ソヽ/`、シi -=≡= _ =ヘ 山/= , -=≡= ((ん'ノノルレム)) ジャッジジャッジッ!! -=≡= ヽソレ ゚ ∀゚ノリノ -=≡= ),ζ_ /_ へ ジャッジメントタノシーヨーォ――ッ!!!! -=≡= く ヤマザナドゥゥゥゥゥ―――――ッ!!!! ,r---、 =≡=- _ソヽ/`、シi =≡=- _ =ヘ 山/= , =≡=- ((ん'ノノルレム)) =≡=- ジャッシジャッジジャッジ――ッ!! ヽソレリ゚∀ ゚ノリノ =≡=- ),へ_._ ゝζ =≡=- =≡=- 薄れる意識の中で見知らぬ狐がめっちゃいい笑顔をしているのを俺は見た……ような気がした。 ………(・3・)アルェー?何でこうなるの?(棒読み) ─────────────────────────────────────────────────────────── 5スレ目 473 「子供は世界の宝ですから、授かると嬉しいものです。しかし、貴方は少し乙女心を理解し無さ過ぎる。」 「ごもっともな意見だが、それは恋人を押し倒して言う台詞じゃないだろ?しかも閻魔が」 「今日は神様の祝賀記念で休業です。だから、私に貴方の子を産ませること。それが…」 「俺にできる唯一の善行……だろ? そいつは無理な相談だな。なにしろ……」 俺の愛する女はお前ただ一人だけさ。他の奴には産ませやしないよ その後、お腹を擦るアリスうどんげこぁシャンホラけーね妖夢こまっちゃんスイカ達と修羅場を向かえる事になるとは、誰が想像できただろうか…… ちなみに、唯一フラれたレミリア嬢&スキマ妖怪&文々。のコンビが裏で糸を引いていたのは企業秘密。 イチャスレがある限り、幻想郷は少子化問題とは無縁そうだな。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 5スレ目 677 彼岸、えーきの仕事場 今日は彼岸も仕事が半ドン(死語)で終わるらしく、昼休みに愛しのえーき様の仕事場へ遊びに行く。 「うぃーっす、って……えーきさん、何やってんすか?」 「……見てわからない?」 何やら本棚に向かって手を伸ばしているが…… 「新手の体操?」 「違いますっ! あの資料が欲しいのよ……んっ……ほっ……」 ぴょこぴょこと跳ねて上のほうにある棚の本を取ろうとするが、あと少しという所で指がかする程度で届かない。 本人は気付いてないが、飛び跳ねる度に胸を反らす体勢になる為、小さいながらもふっくらと自己主張する胸元が(ry 「なるほど。頑張ってください」 これ以上は目の毒になるので、早々に退散させて頂こう。 「……困っている恋人を助けること。それが今の貴方にできる善行よ」 「いやぁ、せっかくの頑張りを邪魔しちゃ悪いかな~と」 「……そういえば、昨日から冷蔵庫に入っているハズのプリンがどこかに消えているんだけど…」 「イエスマム!あの資料でいいんすね!」 「初めからそうやって手伝ってくれると助かるんですけどね」 「ま、こまっちゃんなら未だしも、えーきさんの身長じゃ取れないでしょうね」 「う、うるさいですよ! そもそも小町みたいに身長が高ければ閻魔の仕事が勤まるという訳じゃ…!」 「まー、えーきさんは今の身長が1番可愛くらしくて俺好みですよ」 「な、い、いきなり何を言い出すのよ……ホント?」 「小動物みたいで」 「うー!お前なんか地獄行きだー!」 小町「四季様、ダンナが来るの狙ってましたね?」 映姫「な、何を言い出すんですか小町!! ぐ、偶然よ…」 小町「ほぉー、隣にあった踏み台に気付かなかったのも偶然ねぇー」 映姫「うぅ…」 小町「ま、そういうことにしておきましょうか。それにしても、毎度おアツいことで」 映姫「あ、あうぅ……」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 5スレ目 706 焼肉バイキングで食べ放題 「おまたせしました」 店員がタン塩ロースカルビ盛り合わせ2人前をテーブルに運んでくる。 「来ましたね。さっそく焼きましょう」 「おいおい、そんなにいっぺんに乗せるなよ、それと引っくり返し過ぎ」 「次々に焼いていたら食べるほうが進みませんよ。文句があるなら食べないで下さい」 「いやいや、さっき置いたばかりだろ? これなんか片面まだ火が通ってないぞ?」 「このミディアムレア加減が良いんですよ。貴方が焼くと少し火が通り過ぎる。もっとテキパキと焼くこと」 「いや、説教する暇があるなら食べようぜ。せっかくの肉がもったいない」 「それもそうですね。いただきまーす……うん!やっぱりお肉よね」 「助かった。いただきます……うむ、やっぱ肉だな」 「ほらほら、ドンドン焼きますよ? コゲちゃいますからさっさと食べてください」 「だったらもっと焼くペース落とせよ……んん?」 「(もぐもぐ……)……どうしました?」 「(もぐもぐ……)なあ、えーき。その箸で肉焼いてるんだろ?」 「そうですけど?」 「で、同じ箸でお前が肉を食っていると言う事は……俺がその肉を食べたら間接キスだよな?」 「あ…………な、何を考えるんですか食事中に!!貴方は少しデリカシーが無さ過ぎる!!」 「そこまで言う事ないだろ……単なる思いつきで言っただけじゃねえか」 「そんなこと思い付かないで下さい!このエッチ!」 「なんでやねん……どうでもいいから早く肉焼けよ。ペース落としすぎだぞ」 「……も、文句を言うなら今度は貴方が焼きなさい。それが貴方にできる唯一の善行です!」 「いや、俺が焼いても関節キスには変わりないと思うのだが…」 「べ、別に構いませんよ?そそそんなことこれっぽっちも気にしてませんから!!」 「……まあいいけど」 そして焼きあがるタン塩 「(もぐもぐ……)……話は変わるが、牛タンって美味しいよな」 「(もぐもぐ……)……そうですね。人間の舌も牛タンなら幸せなんですけどね」 (省略されました。続きは 264を100回読み返して妄想して下さい) ─────────────────────────────────────────────────────────── 6スレ目 282 少し便乗気味にさせてもらうぜ。少しアッサリと攻めてみた 「あれ?小町ー?何処行ったのですかー、この忙しい時期にー。小町ー、こーまーちー」 「おや、四季様じゃないですか。どないしましたん?」 「ああ、○○ですか。実は彼岸の忙しい時期だと言うのに小町が見当たらないのですよ」 「あー、こまさんなら『 277に会いに行くから四季様によろしく』ってどっか行きましたよ。爽やかな笑顔で」 「爽やかな笑顔でですか……」 「それはもうド○クエを一日で全クリしたような爽やかさでした」 「……これは少々お灸を据える必要性が」 「いや、恋人に会いに行くくらい黙認してあげましょうよ」 「一年で最も霊の出入りの激しい期間にピンポイントでと言うのは流石の私も困るのですが」 「はぁ、まぁ頑張って下さい。それじゃ俺はこれで」 「待ちなさい」 「勘弁してください」 「断るのが早すぎます。もうこの際貴方で良いので手伝ってください」 「おっぱいをツンツンさせてくれたr……すんません冗談ですからその居合いの構えを止めてください」 「全く、貴方は何処の亀仙人ですか」 「気にしたら負けです。と言うか、元々の仕事はどうしろと?」 「死神見習いなんて仕事の量もたかが知れてるでしょう?」 「いやまぁ、そうなんですけろどもね。正直面倒と言いますか」 「どうやら私の言い方が悪かった様ですね。貴方が良いので手伝ってください」 「……はぁ。そんな風に言われたら断れないじゃないですか」 「元より断らせるつもりはありませんでしたが」 「さいですか。ま、そいじゃあ行きましょうか」 「ええ、仕事は山ほどありますからね」 「ところで四季様、さっきのは愛の告白って勝手に解釈しても良いっすか?」 「さぁ?自由に解釈してください」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 6スレ目 608 「ふーっ、ごちそうさまでした」 「はい、お粗末さまでした」 食後はティッシュで口の周りを拭く癖がついている俺。(フキフキ む、鼻もムズムズしてきた。もう一枚ティッシュを取…… 「あっ! 待ちなさい! ちょっと口を拭いただけなら余った部分で鼻をかみなさいっ。 資源を無駄にしない事、それが今の貴方に出来る善行ですっ」 「はーい」 チーン! 「食べ終わったお茶碗を貸してください。今お茶を淹れますから、お茶がご飯の消化を助け ついでにお茶碗についたご飯の糊も取ってくれて洗うのが楽になるんです。 それが今の貴方に出来る善行ですよ」 「はーい」 映姫に茶碗を差し出すと嬉しそうにお茶を注いでくれた。 ゴクゴク……はふぅ 「ほらほら、飲み終わったらすぐに使った食器に水を張って流しに置いておいてください? 食器のこびりつきが取れて洗う時楽になりますから。それが今貴方に出来る善行ですよ?」 「ふぇーい」 ガチャッ 夕食が終わって、映姫と軽く飲みながら借りてきた映画を見る。 今日はホラー物だ。 隣から、「怖くない怖くない怖くない」とか「これは作り物これは作り物これは作り物」とか 聞こえてくるが、これは気にしない。 だが…… 「あのさ」 「ひ、ひゃいっ!? べべ別に怖くなんてありませんにょっ!!」 「いや、そんなに服を握り締められてると、動くに動けないんだけど……」 「っっ!!」 これは気になる。 「っあ、貴方が怖そうにしてたから落ち着かせようとしてたんですっ! 時には人の好意に甘える事、それが今の貴方に出来る善行ですっ!!」 「はいはい」 真っ赤な顔で怒る映姫。 その後、一旦離れてくれたものの、暫らくするとまた元に戻ってしまった。 そしてその状態は映画終了まで続いた。 「まあまあでしたね。と言っても私にとっては物足りない感じでしたが」 映姫は青い顔に貼り付けた様な満面の笑みで言い放った。 何かをやり遂げた様な表情もその中に見てとれる気がする。 「もう一本もっと怖いやつも借りたんだけど?」 「へっ??」 映姫の顔色がドンドン青く、しかも余裕の無い表情になっていく。 「見ようか」 「い、いえっ! 早寝早起きが健康な毎日を築くのです! 今日はもう眠る事、それが今の貴方に出来る善行ですっ!! そ、それではっ!」 言うが早いか、映姫は自分の家(すぐ隣)に帰ってしまった。 まあ、確かに明日も早いし……もう寝るか。 トントン。 寝付いた所なのに夜中に物音で目が覚める。どうやらベッドの隣のガラス戸から音がしている様だ。 はたしてカーテンを開けるとガラス戸の向こうには、 うさぎさん柄のパジャマを着てネコさん型の枕を抱いた映姫が居た。 とりあえず戸を開けたが、真っ赤になって俯いていて何も言わない映姫。 しかし、やっと決心が付いたのかおもむろに口を開くと、 「あ、貴方が怖くて眠れなくなってると思って……今日は一緒に寝てあげます。 誰かの為に奉仕するのも善行ですから……」 とだけ、しどろもどろながら言ってくれた。 だからそんな映姫が可愛くて、ついイタズラしてみたくなった。 「そうか、ありがとう映姫。でも、俺なら大丈夫だ。お前も一人の方がゆっくり眠れるだろ? 俺の事は気にしなくて良いよ」 そう言って俺はガラス戸を閉め……ようとしたが、その腕をきゅっと握られてしまった。 「…………い、一緒に……寝て……?」 微かに聞こえる蚊の鳴く様な声、しかし俺にははっきりと届いている。 映姫の顔がさっきより更に赤くなって、顔は俯いていたが瞼に涙が溜まっているのが分かった。 (やりすぎたか) 「じゃ、じゃあお願いするよ映姫。人の行為に甘えるのも善行だからなっ」 慌ててそう言うと、映姫は目尻を少し擦ってから「ええ、その通りですね」と微笑んでくれた。 俺のベッドの隣に布団を敷き、映姫がそこに潜り込むとあえなく就寝となった。 ……はずなのだが、さすがに隣で女の子が無防備に眠っていると思うと眠るに眠れない。 映姫の事を意識しない様、俺は映姫の反対側、壁に向かう形で横になった。 そして、適当な事をぼーっと考えていると、ようやくウトウトとし始めた。 「……!」 バサッという布団の捲れる音…… それに続いて背中から温もりと微かな息づかいが伝わってくる。 眠気は一気に吹っ飛び、心臓は高鳴る。 「え、映……っ!」 言って振り返ろうとしたが、その前に後から伸ばされた腕の指一本で口を閉じさせられ、動くに動けない。 「まだ起きていたんですね……今、私の感謝と愛情の気持ちを貴方が眠っている間に精一杯伝えているんです。 気付かない振りをする事、それが今の貴方に出来る善行です……」 映姫の声が少し震えていた。 背中に感じる暖かさ、柔らかさ、そして愛おしさ…… いくら『気付かない振りをしろ』と言われても、 おそらくリンゴの様に赤い顔をしているだろう映姫の頑張りに答えてあげたい、と思うのは当然だろう。 「映姫、好きだよ。いつでも、いつまでも……あー、ちなみに今のは寝言だから……」 眠っている人間が寝言で言った事なら仕方ない。という安直な手に出てみた。 背中の方から映姫がクスッと微笑んだのが感じ取れる。 「違いますよ。私も貴方の事大好きですから、お互いに好きな時は『好き』ではなく『愛してる』と、 言うんですよ」 それだけ言うと「今のは寝言ですけど」と映姫は付け加える。 映姫の言葉につられる様に俺も微笑んだ。 映姫の温もりを感じながら、出来るなら映姫にも俺の温もりが伝わりますように、と願いながら、 俺たちは静かに瞼を閉じた。 ジリリリリ…… 朝、けたたましい目覚まし時計の音で目が覚める。 隣では映姫が寝ぼけまなこで伸びをしている。 「あ、おはようございます」 「うん。愛してるよ映姫」 俺の言葉を聞いていたのかいなかったのか、十中八九いなかったのだろうが、 映姫はゆっくりとお辞儀をした後、眠たそうな目を擦りながら続ける。 「そうそう、見知った仲でもきちんと挨拶を交わす事が良好な関係を築くので……??」 はたっ、と映姫の手が止まった。 そしていぶかしげな顔をしている。 「あれ?」「えーと……」と、さんざん頭を捻った後でキョトンとした目で俺の方を覗き込んだ。 「ついでに、おはよう映姫」 ようやく、さっき俺が何を言ったのか理解したらしく、真っ赤になりながらワタワタと慌てだした。 「あ、貴方は起き抜けにいきなり何を言い出すんですかっ!! い、いえっ! 別に嫌という訳ではありませんよ!? むしろ、もっと言って欲しいというか…… って、そうじゃなくてぇ~~!!」 怒鳴ったりつぶやいたり、慌てて動いたり俯いたり、映姫はそうとう混乱している様だ。 「そんじゃ、先にリビングに行ってるな」 そんな映姫を横目に俺はベッドを抜け出し、颯爽と寝室の扉に手を掛ける。 その声に我に返った映姫も俺に続いてベッドから跳ね起きると、 「ま、待ちなさい! 待てってば!」 と、半ばタックルする様に俺の体をせき止め、驚いて映姫の方を振り向いた俺の、 ……唇に…… 「ん……」 映姫の体が俺から離れた。 そして今度はこちらの思考が真っ白になってしまった。 映姫は『してやったり』な笑顔を俺に向け、 「ちゃんと責任持って相手の返事を聞く事、それが貴方に出来る善行ですよ?」 と言い残すと、そのままリビングへ行ってしまった。 一瞬、間を空けて俺の思考回路が回復する。 そして思い出される映姫の柔らかく、暖かい感触…… (とりあえず、リビングに居る映姫に仕返しをしておかないとな。) 我に返った俺の頭に、その考えが真っ先に浮かんで来た。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 6スレ目 771 俺の目の前には俺より少し背の小さい映姫がチョコンと立っている。 正面向いて立っているのでかなり近い距離で目と目が合って、 正直、今更だけど少し恥ずかしい…… 少し間を置いて、そっと丁寧にラッピングされたそれが登場した。 「あ、あの。コレ……」 「え? これって……」 「うん……そう……。バレンタインのチョコレートケーキ……」 「もらって良いんですか!?」 「うん。受け取ってくれたら……その……すごく、嬉しい、かも……」 顔を真っ赤にして、それでも映姫の笑顔は眩しいくらいに素敵なものだった。 「中を見ても?」 「どうぞ」 シュルシュル、パカッ。 「スゴイっ……」 「い、一応手作り、だから……」 「ほ、本当にありがとうっ! そうだ、今度ちゃんとお礼します。 いや、させて下さいっ!」 間が、空いた…… ほんの数秒だけどひどく長く感じられる。 しかし、意を決したのかその言葉が発せられた。 「そ、それならお礼はホワイトデーでお願いします」 「ホワイトデーで?」 「最近のホワイトデーでは、本命の相手に本命のお返しをするのが流行りらしくて……」 「はぁ」 「だから……それ、一応、ほ、本命……だから。 で、出来れば本命で返ってきたら嬉しいかなぁ。……なんて」 ウフフと映姫は嬉しそうに微笑んだ。 その笑顔が僕にもうつってくる。 こんな時、この人を好きになって良かったなぁ。と、本当にそう思う。 「わかりました。でも、……普通、逆ですよね? 渡すの」 「いや、外国では男の方からね……」 んで、この後はモチロン「私からのは要らないんですか?」とか言われながら 映姫様から本命チョコを頂く訳ですよ。 ちょっと時間過ぎたけどバレンタインもの投下っ。 いつも忙しい映姫様のためにバレンタインチョコを作ってあげたいぜ! ─────────────────────────────────────────────────────────── 6スレ目 844 ところでホワイトデーなんだが、 バレンタインの時こっちが映姫にチョコを渡したんでお返しを期待してたんだけど。 俺の家に映姫が体中にリボンを巻き付けた妙な格好で来て、 「映姫っ、もしかしてバレンタインのお返しを持ってきてくれたのか?」 「え、ええっ、そうです。ば、バレンタインのお返しに、ほ、ホワイトデーを持ってきましたっ!」 「いや『ホワイトデー』は持って来る物じゃないだろ。まあいいや、どんなのだ? 楽しみ~っ!」 「そ、それはっ! わ、わっ、わたし じしn……」 「ああっ! そうだっ! 俺の方もちゃんと用意しといたぞっ! はい、大きいテディベア」 「え? うわぁ。これ、この間の……」 「この間、街行った時コレ見てたろ? 欲しいのかな?って思ってね」 「ありがとうございますっ! うふふ、コレ欲しかったんですよ~」 「喜んでいただけて何よりだよ。……で、映姫さんの用意してくれたのは何でしょうか?」 「わ、わたしですか? ……コホンっ! わ、私が貴方にあげるのは」 「うんうん」 「わ、わ、わっ! わたしをもらっt……」 「ああっ! 悪い悪いっ、玄関先に立たせっ放しだったな。どうぞ中に上がってくれ……」 「い、いえっ! それよりも私の話を聴いて下さいっ!!」 「へ? は、はい」 「ス~ハ~、ス~ハ~……いいですか? わたしが貴方にプレゼントするのは」 「……(ゴクリ)」 「わ、わっ、わたし そのもの ですっ!!」 「……『私の酢の物』? なんだ、夕飯作ってきてくれたのか~……」 「バッ! バカ~~~ッッ!!!!」 て、感じでホワイトデーにビンタ貰ったよ。 ……ハァ。 映姫、本当は俺の事好きじゃないのかなぁ…… ─────────────────────────────────────────────────────────── 6スレ目 844 さて、幻想郷が騒がしい様だが、 先程横でまったり本を読んでる映姫様に、 「某筋から聞いたんですが、実は男の子って本当ですか?」 って聞いたら 「ええ、知りませんでしたか?」 だってさ。 こっちも本読んでたからとっさに良く考えず 「そうですか。ま、映姫様には変わりが無いからどっちでも良いんですけどね」 って返したら、もごもごと今日限定とかなんとか言ってた。 可愛かったのでつい頭をもしゃもしゃ撫でたらぺしっとやられた ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 223 「あれ? 四季様っ」 「あ、あら小町。どうかしたの?」 「いや~、アタイは時間外手当ての申請をしに来たんですけど、 四季様こそ総務課に居るなんて珍しいですね。何かあったんですか?」 「ええ、ちょっと産前休暇の書類を取りに……」 「へぇ~、そうなんですk…… ええ~っ!! 三千九課っ!?」 「なんですか小町、大声上げて。あと、字が違います」 「だ、だ、だって。子供が、四季様に、妊娠でっ!」 「文節も違います」 「四季様っ!」 「は、はい」 「おめでとうございます!!」 「ありがとう小町。暫らく会えなくなるけど、この子が産まれたら仲良くしてあげてね?」 「勿論ですよっ。あたいこう見えても子守りとか得意ですから。 いや~、ついに四季様もお母さんですか~、○○もよろしくやってますなぁ~」 「な、何をやってるって言うんですかっ!?」 「いやいや、そりゃあもう……ね? ああ、噂をすれば旦那さんが向こうで心配そうにしてますよ」 「あ、あら本当。それじゃあね小町」 「はいはいっ。 ……行っちゃったか。しかし、四季様のあんなに嬉しそうな顔見たの初めて…… でもないか、二度目だねぇ。まあ一度目は○○との結婚式の時だったけど。 あ~あ~、腕なんか組んじゃってもう、ごちそうさんっ!」 ───────────────────────────────────────────────────────────
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修羅場?4 4スレ目 239-240 4スレ目 233(咲夜)から派生 ----------------------------------------------------------------------------------------------- ――数分後。 さて、俺が咲夜から貰ったプレゼントに舌鼓を打っていると……。 「ねえ、おつまみ持ってきたんだけど、ちょっと台所借りていいかしら」 「どうぞ。場所はわかる……ってもうかよ」 早い。早すぎ。 俺が言い終わる前には皿に切り分けられたチーズが乗っていた。 「時間が勿体無いでしょ?」 「まあ、ね。ただ、俺に待つ楽しみは無かったわけだが」 「それはまた今度のお楽しみという事で」 「期待してる」 軽く笑い合う。 ――ここまでは良かったんだ。そう、ここまでは。 「○○さーん! 今日はドアを破らずに参上ですよー! ……って、なに、してるんですか」 いきなり玄関から疾走しながら文が来訪。しっかり床にブレーキ痕を残して。しかし俺と咲夜を見た瞬間無表情に。そしてさらに……。 「あら、今日は珍しく貴方の家ににしては騒がし い の ね……」 窓からえーりんさん登場。前回はトイレから。その前は天井から。いつも思うが、貴女はマトモに出てこれんのですか。スキマ妖怪じゃあるまいし。そしてやっぱり俺たちを見た瞬間に無表情にチェンジ。 「「「…………」」」 いきなり張り詰めていく空気。これって修羅場モード? 微妙に男として嬉しいが、動けない……! この状態で動いたら、俺は間違いなく殺される……! 「残念だけど、○○はもう私と飲んでるから。どうぞ安心してお帰りになってください」 「そんな値段ばっかり高いジュースみたいなお酒じゃ○○さんは満足しません! ここは私が持ってきた天狗に伝わる大吟醸を!」 「可哀想に。二人とも舌が馬鹿になってるのね。治療ついでになんならその煩い舌、引っこ抜いてあげてもいいけど?」 「「「…………」」」 「コッチの言う事が理解できないみたいだから率直に言うわ。年齢不詳の人外はさっさと消えなさい。お呼びじゃないのよ」 「知らないんですか? 最近の世論の傾向は外見重視なんですよ。ああ、私や○○さんと違って半分ほど無職やってるお二方には関係ないお話でしたね」 「最近の若い子は短気で駄目ね。それとも知恵遅れかしら? ここまで酷いと薬どころか死んでも治らないでしょうけど。あら御免なさい。つい本音が」 「「「…………(ギリィッ)」」」 幕○内ばりに即ボディーにクる皮肉の応酬の後は痛いまでの静寂。 あ、あれ? 俺、いつ死亡フラグ立てたっけ? 「……このままだと埒が明かないわね。二人とも、表に出なさい。ここだと○○に迷惑がかかるわ」 そう静かに、しかし鋭い殺気を叩きつける咲夜は、何時の間にかメイド服を着ていた。 そしてバスケットの中にはさっきまで着ていた服が。さっきまでメイド服もこの中に入れていたのだろう。流石は瀟洒なメイド。 しかし、いつもの彼女ならこの面子での勝負、少々分が悪いだろうが、なんか後ろにやたらゴッツイ背後霊みたいなのが見える。 「ええ、こちらこそ望む所です。身の程知らずな人間のメイドと頭のネジが全部トンだ宇宙人に、本当の天狗の力というものを見せてあげます」 ふんっ、と鼻で笑う文。結構長い間生きてるだろうに、今の彼女は外見相応って感じだ。セリフは真っ黒だが。 因みに、いつも彼女の肩に留まってる烏は当の昔に逃げ出した。 今頃は根性で大結界を越え、夏の海の町で本当の自分を取り戻している事だろう。頑張れ。超頑張れ国崎住人(仮名)。 「あらあら。無知もここまでくると可愛いものね。でも……躾のなってない狗と烏には少し教育が必要かしら?」 頬に手を当て、たおやかに微笑むえーりんさん。その笑顔が今は怖い。なんか目だけ笑ってないし。二人に挑発交じりの殺気をビンッビンに飛ばしてます。これが永遠亭のドンのカリスマ……! でも一瞬だけそんな彼女にゾクゾクしてなじられたい、とか思ったのは俺だけの秘密だ。人として色々大切なものを失いかねん。 (死人が出ませんように……。いや、えーりんさんは蓬莱人だから死なないけど) ――キィィィィィン!! 瞬間、圧倒的な霊力が大気を圧迫し、空を、大地を切り裂く弾幕音がここまで聞こえてくる。 つまり、始まるのは毎度おなじみ弾幕ごっこ。……これで“ごっこ”? いやいや妖夢。俺的にそれはない。 そして(俺的)神々の黄昏が始まって数分後。 ――ガラッ。 また誰か来た。今度は玄関の反対側に位置する窓から。 「お、お邪魔しまーす」 これもまた見知った顔の一人、ミスティアだった。 実の所、俺は彼女の店の常連だったりする。 「どうした? やっぱミスティアも新聞読んだのか?」 「うん。それに少ない常連さんだから……」 そう言って八つ目鰻をくれた。かなり美味そうだ。 「悪いね。しかし何ゆえ窓から」 「最初は玄関から入ろうとしたんだけど、なんか凄い事になってて……」 そこまで言ってじわり、と涙を浮かべる。 ……ああ。あの中に突っ込めば妖怪でも下手すりゃ死ねるわな。 だが俺にあれを止める勇気は無い。命は惜しいのだ。 今もなお聞こえてくる怒号と弾幕音をどこか遠くで聞きながら、涙目で震えるミスティアの頭をクシャっと撫でる。深い理由は無い。なんとなくだ。乾いた心に潤いが欲しかったのは否定しない。 「じゃ、今後ともご贔屓にー♪ お誕生日おめでとー♪」 それで気を良くしたのか恐怖を忘れたのかは知らないが、ミスティアははにかみながら歌うように窓から去っていった。可愛い奴だ。 ――これで終わり。覚悟はいいかしら! ――それはこっちの台詞です! ――オーラスね。……悪いけど少し本気を出すわ! 「…………」 ――幻世「ザ・ワールド」! WRYYYY! 無駄無駄(以下略)ァ! ――疾風「風神少女」! 全ては我が戯言也! ――天呪「アポロ13」! ……私の後ろに立つな! 聞こえない。聞こえるけど今迄で一番大きい力の奔流と爆音なんて聞こえない。聞きたくない。 つーか何でこんな所でそんな高レベルスペカぶっ放すかね。家が吹っ飛んだらどうしてくれる。 この年で家無き子とかマジ勘弁。恥ずかしすぎ。 執行を待つ犯罪者のような心情でひたすら祈る。 ――しーん。 物音が聞こえなくなった。 どうやら終わったらしい。さっきのが最後の一撃か。 ――シーン。 「……?」 音が無い。誰も入ってこない。 恐る恐る外に出てみる。 「……地獄?」 簡単に言ってそんな感じ。 大地は抉られ、木々は根こそぎ持っていかれて、ナイフがそこら中に刺さり、何かよくわからない薬品で溶かされた後がある。 当然周囲に生き物の気配は無い。でも俺の家は無傷。シュールな光景だなオイ。 で、お三方は……。 ――死ーん(×3)。 「……トリプルKO。死屍累々ってか」 現実逃避気味に呟く。が、そうも言ってられない。現実は過酷なのだ。 先の選択を後悔しようにも時間は決して巻き戻る事はなく、ただ愚直に進み続けるのみ。 故に今を生きる俺に決して停滞は許されない。撤退は死を意味する。無力な俺に幸在れ。 ……さて、どうでもいい事を考えるのも止めにして、そろそろマジで現実を直視しよう。本当にどうする? ――コマンド? ――① 当然三人とも家まで送ってあげる。 ――② ここで叩き起こす。 ――③ …………紳士らしくお持ち帰り。 ①はちょっと無理。一番近い紅魔館も徒歩だと小一時間はかかる。永遠亭は当然それ以上。文の家は知らん。仕事道具はこの暗さと周囲の惨状では使えない。却下。 ②は起こす際に俺が死ぬ可能性があるので激しく却下。つーか完全に伸びてて、揺すっても叩いても起きそうにない。皆ハッスルしすぎ。 ③は……どうやら精神的に疲れた今の俺の頭はかなり膿んでいるらしい。寧ろ腐りきってる。が、現実的にこれが一番楽な選択肢だろう。はい決定。 「つまり、三人とも俺の家に泊まるのか……。今日は野宿だな。俺の家狭いし」 何が悲しくて自分の家のまん前で野宿なぞせにゃならんのだ。 ここは俺の家だぞ。しかも忘れていたとはいえ、誕生日。 しかしこの天国のような地獄の環境で俺の理性が保つとも思えない。溜息をつきながら天を仰ぐ。 (m9(^Д^)プギャー!! 男一人で寂しく野宿テラワロスwwヘタレ乙wwwwうぇうぇww) ――星が、月が、俺を嗤っていた。ジーザス。海苔巻さん家のアラレちゃんに砕かれろ。 ……ネタが浮かんだら続くかも。 4スレ目 296 「ねぇ~こないだの宴会で一緒に飲もうって約束したでしょ~?ね~」 「違うわよ!あたいが先に弾幕ごっこで勝負するって約束したのよ!」 「遊んでくれるって約束したよね?ね。 何 と か 言 い な さ い」 まずいことになった。先日神社の近くをフラフラ歩いてたら唐突に宴会に引き込まれたのだが、 ついつい勢いで飲みすぎて約束を全く同時にトリプルブッキングさせてしまったらしい。 ここは一つ上手いこと受け流して一人ずつ対処しようとも思ったのだが我の強い三人。 歩く百鬼夜行こと 伊吹 萃香 幻想郷の愛されし⑨ チルノ 生きる核弾頭 フランドール …うん。まずい。チルノならなんとか口先三寸でなんとかできるが萃香は酒が入ると 理屈なんぞ蹂躙してナンボになるし、フランに至っては口答えした時点で死亡フラグが 成立する。さてどうしたものか・・・ 「え・・・と、な。せっかくまたこう大人数で集まれたしここは一つみんなd」 眼前で手首まで地面にめり込んだ萃香の拳。 髪を焦がしているレーヴァテイン。 場の展開の速さについていけないチルノ。 「「なんか言った?」」 「いえ・・・」 まずい。まずいの三乗だ。この二人目がすわっちゃってるよ。 どうにか・・・どうにか平和的かつ死亡フラグの立たない解決法を・・・ 「ねぇ二人とも○○が困ってるじゃない。せっかく遊んでもらうんだかられーぎを わきまえないと駄目よ!」 おぉ!いいぞチルノ!まさかこの面子でそんな常識的な言葉を聞けるとは!もう⑨ なんて言わないよ! 「誰が○○と遊ぶか弾幕ごっこで決めましょ!あたいってば天才ね!」 前言撤回。この馬鹿自分で地雷を起爆させやがった。⑨にも程がある。 次の瞬間フランがレーヴァテインを萃香に向かって振り下ろし、萃香は手に集めた超高密度の 鬼火で受け止めた。二つの超高温の力が熱波を生み チルノが蒸発した。 「チ、チルノーーーーーー!!」 「「そんなの放っときなさい!」」 「お、お前ら鬼だ!悪魔だ!人間じゃねぇ!」 「鬼よ!」 「悪魔よ!」 「「人間じゃないわ!」」 さてどうしよう。このままいくとここら一帯焦土になりかねん。どちらか片一方にブッ飛ばされる覚悟で A・萃香と飲ま飲まイェイ B・フランちゃんとウフフ C・チルノを復元すべく頑張ってみる D・パチェ萌え 4スレ目 448-449 「・・・というわけなんだ。なんとか頼めないか魔理沙。」 場所は魔法の森霧雨亭。妖怪退治の依頼中である。 「ん~まぁお前の頼みと来れば・・・そう無下に断るわけにもいかないぜ」 「すまん。助かる。この礼はいつか必ず。」 「いつかなんて言わずに明日にでも蒐集に付き合ってもらうぜ」 「・・・ハイ」 魔理沙の蒐集と来ると半ば強奪まがいのことにもなりかねないので正直 気が進まない。しかし今は村の危機なのだ。個人的感情で皆を巻き添えには出来ない。 「ちょっと・・・その蒐集ってどこに行くつもりよ?」 玄関から声をかけてきたのは動かない大図書館ことパチュリー・ノーリッジ。 何度か宴会でも顔を突き合わせているし、何度か蒐集という名の強奪の被害者 になっていただいたこともある。話していてもすぐに真っ赤になって俯いてしまうく らいに病弱のようでなんとも不憫なことである。 「人の家に勝手に入るのはよくないぜ。」 「無理やり入るのもよくないわ。っていうか誤魔化さない。」 「お察しの通り真っ赤な館の大図書館までな」 「そうは行かないわ・・・そこのあなた。今回の妖怪退治は私が請け負うわ。 その代わり報酬として魔理沙から魔道書の奪還を手伝ってもらう。いいわね?」 「ぞっとしない話だぜ。・・・で、どっちに頼むんだ?」 「え、と・・・。先に頼んだのは魔理沙だけど心情的にはパチュリーにというか・・・」 「煮え切らないわね。」 「煮え切らないぜ。よし。こうしよう。今から全員で村まで下りる。そこで妖怪を待って 仕留めたほうがこいつを一日自由にできる。」 「乗ったわ。」 …成功報酬が悪化してる。ともあれこうして三人で村まで行くことになったのである。 「で、あれが村の存亡を脅かす妖怪ってわけか?」 「アレ・・・うちの館の前の湖にいる氷精よね?」 「そうだけど・・・」 今の季節は農作物の収穫時だし、稲の成長期である。そんな時期に氷を降らされたり 気温を急激に下げられたりしたら最早死活問題である。氷精にしてみれば遊んでいる つもりかもしれない。現に何やら妙に楽しそうである。 「まぁ普通の人間には荷が重いわね。」 「普通の魔法使いには丁度いい相手だぜ。」 「先手!」 「必勝!」 二人の手に急速に魔力が集まり高まっていくのが素人目にもわかる。やはりこの二人 普通じゃない。 「ロイヤルフレア!」 「マスターァァァァァ!スパァァァァァァァクゥ!」 目をくらまさんばかりの閃光が巻き起こり、気付くと氷精は消えていた。 「さて。」 「どっちの勝ちかしら?」 じっとこちらを見る二人。見えてるわけねぇだろあんな光の中。 「ごめん。さっぱり見えなかった。」 「やっぱりか・・・まぁいきなりあんな大技出したし仕方ないといえば仕方ないぜ」 「じゃあどうするの?」 「ま、ノーゲームが妥当だろ。ロイヤルフレアなんか撃ったんだから体調も良くないだろ? そんな中蒐集に行くのも気が引けるしな。」 「まさかお前からそんな台詞が聞けるとはな・・・愛してるぜ魔理沙」 「お前・・・その台詞アリスにも吐いたろ?」 「いいだろ?挨拶みたいなもんだ。」 くいくいと服の裾を引っ張られる。振り向くとパチュリーがこちらを・・・睨んでる? 「どうしたパチュリー。自分の顔なんか指差して」 「ん」 「・・・別に何も付いてないよ?」 「ん!」 「顔色も悪くないし・・・っていうかいつもよりいいくらい」 ごきり。と足を踏まれた。それもかなり思い切り。 「あたしもう帰るわ!さよなら!」 「???」 突然に怒り出したパチュリーとは対照的に魔理沙は妙にいい顔である。・・・よくわからん。 途中で休憩にネコソギラジカル読んだのがいけなかった。 展開の薄っぺらさをどうにかしたいな。 4スレ目 518 521 姉さん大変ですぼくの家では今とんでもない修羅場に見舞われています それはもう地獄の閻魔も裸足で魔界のアホ毛の元へと身投げせんばかりの殺気殺気殺気で ぼくだって逃げ出したいけどこの二人の女の子が一心不乱に紅魔館のキッチンでチャーハンを 炒めに炒めているのを逃げるなんてそれはさすがに逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ 「いくら門番だからって、チャーハンの腕でなら私に勝てると思って?」 「負けないわよ。恋もチャーハンも!」 それにしても炒めてる量が半端ではありません茶碗にしてそれは13杯は堅いでしょう いためてしまうのは米でなくそれはおそらくぼくの胃でしょう 「あ、あの…俺もうお腹一杯」 「「なんか言った?」」 「い、いえ…」 ねえさんぼくは大変です胃とか貞操とか財布の中身とか たった今匂いを嗅ぎつけた博麗の巫女とかルーミアとか@がもの凄い勢いでこちらに向かっています かゆ うま 「さぁ!」 「どっちが!」 「「美味しいの!?」」 頼んでない頼んでないよぼくそんな修羅場たのんでないよ 喉から出そうなその悲鳴をぐっと堪え目の前の二つの山脈を睨みつけますが涙で見えません これは嬉し涙と愛しさと切なさと糸井重里くじけそうな心をぐっと慰めあらためて涙を拭くと そこには「ダバダー」でおなじみのアルピニスト・野口健すらも泣いて許しを請うほどの超高層チャーハン 明らかにもう喫茶マウンテンのメニューなんて敵じゃない二人の熱意にぼくはもう声も出ません 「人形使いごとき、チャーハンでは私の腕に敵うわけないですよ? アンタもそう思うわね?」 「あんたの作ったチャーハンを食べるくらいなら、バーミヤンの冷凍チャーハンでも食べたほうがマシよ!」 「ムカッ……、言ったわね!?ほらアンタ!早く完食して甲乙つけて頂戴!」 「さっさと食べなさい!さあ!さあ!!さあ!!!」 ずいずいと顔を寄せてくる二人の怒り顔もまた可愛くて僕はおもわず…… その頬に一度ずつフレンチに口付けをするのですがそれが大きな間違いだったことにたすけてえーりん! 「なななな! なにすんのよぉおおお!」 「ちょ!?い……キヤァァァーーー!!」 頬を染めているのは照れか怒りかもうぼくにはわからないけどおっきしたちんちんが裁かれた 5スレ目 86 幽々子の恋心の真偽クエストフラグ その1 眠りというのは生物にとって重要な行為であり快楽さえ伴うものである。 故に寝ることを趣味とするものも少なくない、俺がその例である。 他にもスキマの埃くせぇ女とかもかなり寝まくってる。 だからだろうか、あの女とは初対面からかなり気が合った。 ともかく、布団の中で意識を落とすというのは俺にとって唯一の趣味なのである。 そんな幸福なる惰眠を貪りつくす予定であった俺は、いつも通り危機に直面している。 「ん……くー……んぅ……」 いつの間にか幽々子が布団の中に入って寝ています。 ここで問題なのは涎をだらしなく垂らしていることではありません。 えぇ、もちろん複数形で揺れる何かが無地の薄い浴衣から自己主張激しくこんにちはしていることであって。 あぁ、見えそうで見えねぇ。だがそれがいいってけーねとかが言ってた、たぶん。 もちろんコレを目にして寝付けるわけもなく。俺は貴重な惰眠の時間を失ってしまうわけです。 これで寝れるなんていう奴はいるわけがありません。見つけた瞬間に俺が殺しますから。 ともかく重要なのは抱き枕にされているとか寝言で俺の名前呼んでて可愛いなって所ではなく。 とても絶妙なタイミングで遭遇する愛しき妖夢なのである。 「……こ、来ない……な?」 「くー……すー……」 いつもならお約束のように飛び込んでくる彼女が今日は来ない。 俺はとりあえず息をつくとゆっくりと身を起した。 あぁ妖夢、俺が早くも言い訳と事後の機嫌を悪くしたお前への対応をシュミレートしたというのに。 いや、来ないなら来ないで凄く助かるけどね。 「……さて、どうしたものか」 このまま放置して別の部屋で寝てもいいのだが幽々子の手がしっかりと腕を掴んでらっしゃるので不可。 しかし、無防備に眠る姿を見ると寝るのが好きな俺にはどうも起すのが躊躇われた。 当然、俺が取る行動に選択肢は無いのだった。 掴まれていない方の手で幽々子の綺麗な髪を撫でる。 幽々子は眠りながら、ほんの少しだけ嬉しそうに寝息をたてている。 その無防備な寝姿は普段の優しい微笑みにも、時折見せる聡明さにも負けぬ程に魅力を感じさせた。 俺は知らぬうちに微笑みながら、落書きでもしてやろうかと子供のようなことを考えていた。 それも、何だか気分が良いので勘弁してやる。 俺はもう一度布団に転がると幽々子の隣で眠りへと落ちていく。 堕ちる意識の端で、唇に柔らかな感触が当ったような気がした。 ◇ 「……仲が、好いのですね」 低く唸るような、死を感じさせる声が目覚ましだった。 嫌に冴えた目で捉えるのは俺の愛しい妖夢さん。 あぁ、何故そんなに手入れの行き届いた刃物を抜身で持ってらっしゃるのさ。 何故そんなに素敵な風切音を鳴り響かせてらっしゃるのさ。 そして幽々子よ、あんたは何で着物の意味が無いほどに寝乱れてながらも俺を掴んでいるのさ。 あぁ、ごめんなさい、違うんです、俺は悪くないんです、きっとあれだアホ毛の神様が悪いんだよ全部。 「……貴方が私に云った“好き”とは、どうも私が捉えていた意味とは違うものだったのですね」 妖夢は呟きながら、俯く。表情は俺からは見えない。 ただ殺傷力の高そうな刃物を達人を感じさせる構えでこちらに向けている。 「ちが……誤解……だびゅっ!」 あぁ、なんて素敵な……ニチジョウ。 通信が途絶えました。再接続のパスワードを入力してください。 【ヒント:パスワードは幽々子の今日の下着の色】
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らぶひよ カップルイチャイチャ用アカウント 非リア充にも優しいTLをめざし、リア充共がイチャつく際に使う。 また、そのイチャつきを観たいホモォ┌(┌ ^o^)┐という人にもフォロー推奨。 詳しい使用方法はアカウントで。 ラブホテル 一般的には大人の宿泊施設の意味。 しかしこの企画内では、カップルがTLで流せないようなR指定のかかる展開を進めていることからDMを指すことも。
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妖夢3 (レス番等不明) ――― 一人前とは何か? ――― 半人前とは何か? ――― 何が何を決めるのか? 「まったく…、幽々子様も今更大掃除なんて…」 幻想郷、そこの上のまた上の霊界で妖夢は一人愚痴をこぼしていた。 そう言うのも今は正月もすでに終わったとき、やっと宴会から逃げられた時期だったのだ。 「……しかも、自分でやらないし…」 なんて言いながらも着々を倉庫の物を整理しながら片付けていく。 と、 「あれ…? この刀…見覚えが…。う~ん、何だっけ…」 見つけたのは古ぼけた、妖夢の身長に届くか届かないかの刀だった。 そして何故か柄が一部切られていた。 考える事、数分。 「………あ」 ―――――これは、昔々、妖夢におこった、とても大切な、恋のお話。 <スキマは今回出ません> ――ズガンッ! 「くっ…」 弾き飛ばされて地面に叩き付けられる。 これで何回倒されただろう…。 「まだまだだな、妖夢。単純すぎる」 そう言って目の前に現れたのは、私ぐらいの大きな刀を持った○○さん。 本来霊界には人間は来れないのだが、ひょんなことからここに来て私の稽古相手をしてくれている。 「二本あるんだから、攻撃方法は様々あるぞ」 この人、腕は確かなんだけど……、性格が…。 「さてと…。今日はこれぐらいにしておくか」 「いえ、まだやります」 「無理だな」 「なんでですか?」 そう聞き返したそのとき。 「妖夢~、ご飯まだ~?」 遠くから聞こえたのは幽々子様の声。 「ほら」 その声を聞いて勝ち誇ったように見てくる○○さん。 ……なんかむかつく。 「そうですね!」 そう言ってからご飯の準備をするために歩いていく。 「あー、それと茶、頼むわ」 あんにゃろう、幽々子様が大食いと言う事を知っていてそう言う事をいってくる…。 「それぐらい自分で用意してください!」 「お? ついに反抗期か?」 「違います!」 あー、もう。ああ言えばこう言う…。 「はい、お茶です」 そう言いながらお茶を置く。 「ん」 そう言って茶を飲む○○さん。 …この人、好物が日本茶らしい。 「やっぱり、妖夢が淹れた茶は美味いなー」 「え? そ、そんな事言っても何も出てきませんよ!?」 少し赤面した事は言いたくはない。 「元々期待すらしてないから、安心しとけ」 私の言葉をさらっとかわしながらも攻撃してきやがる○○さん。 「……後ろから切るのはありなのか?」 「立派な戦略だな。武士道には反するがな」 こんにゃろう、絶対に来ないと思って言ってるなこいつ。 「…でも、○○さんは凄いですね」 「ん? なんでだ?」 「一人前で、剣の腕が凄くて…。私なんてまだまだ半人前です」 「何言ってんだ? 妖夢は半人前じゃないぞ?」 思わぬ一言に耳を疑う。 「…私が半人前じゃない?」 「妖夢はな……」 ここで一旦区切る○○さん。なんですか、気になりますよ。 「……0.25人前だよ」 …はい? 「れ、れぇてんにぃごぉ人前?」 「半分人間で半人前だから四分の一人前だ。つまり0.25人前だ!」 「なっ……」 少し期待をしてしまった自分がなんかむかつく。 「あっははははは!」 「ぜ、絶対に! あなたより強くなりますからね!!」 「おお、頑張れ。何百年たつかわからんがな! ははははは!」 この人と言い合いで勝ったためしがない…。 <今回、黒白も紅白もでません> 夜。私は今、脱衣所にいます。 「まったく…、あの人はいつもいつも…」 その後の稽古でも一度も勝てなくて…って、当たり前か。 「剣の腕は確かなんだよねえ……」 そう言いながらお風呂に入る準備を進める。 「……あの性格が…」 そしてお風呂のドアを空ける。 ――――カラカラカラ 「おぅ」 ――――ピシャッ!! えぇぇぇぇ!? ○○さん!? 「な、なんであなたがそこにいるんですかっ!!」 「なんでってな、風呂に入っているからいるんだよ」 「そ、それはそうですけど!」 あー、言葉が見つからない。それ以前に動転しすぎて! 「っていうか、そこにいると変わらんぞ」 たしかに、ここにいたら○○さんが出るときに会うことになってしまう。 「入れ。また着替えるの面倒だろ」 「し、しかし…」 「知らん仲じゃないだろ?」 「わ、わかりました…。失礼します…」 ――――カラカラカラ そのとき○○さんは湯船に使ってのんびり日本茶を…。 「えぇぇぇぇ! ○○さん、なんでお茶持ってきてるんですか!」 「ん? あー、飲みたかったからな」 「いやしかし! 普通持ってくるのはお酒ですよ!」 この人は…、いくら好きだからってお風呂の中にまで持ってくるのか。 「そういう単純な考えだから妖夢はいつまでも0.25人前なんだよ」 「関係ありません!」 そう言いながらも湯船に入る。もちろん距離をとって。 しばらく二人とも何も喋らなかった。その中にお茶を啜る音だけが鳴る。 「…」 「…」 ズズズズズ… 「なあ、妖夢」 やがて、沈黙に耐えられなくなったのかお茶が無くなったのか、○○さんが話しかけてきた。 「なんですか?」 「剣ってのはな、心と同じなんだよ」 突然剣の話になったので少し驚く。 「…?」 「心が迷えば剣も迷う。怒れば直線的になったりもする」 「…はぁ」 「そうなるとな、妖夢が持っている白楼剣は良いんだ。迷いが無くなるからな」 「…そうですか」 この人、剣の話になると結構真面目になる。 「何時も平常心…とは言えないがな、戦いのときは平常心が一番だ」 「…大丈夫です」 「お、そうだったのか? いつも直線的、単純明解だからてっきり怒ってr「違います!!」 …わけではなかった。 <今回、騒霊三姉妹もでません> ―――そして月日が流れて。 おーみそかーなんだ。 そーなのかー。 「妖夢、○○、今日は大掃除するわよー」 「幽々子様、それは普通大晦日前にやるものです…」 「んー、まあいいじゃないか」 今日は大晦日、今月に入って大掃除は何時やるのかと思っていたが…今日になった。 「それじゃあ、妖夢は倉庫の方。○○は部屋のほうをお願いね」 「わかりました」「ん」 「それで私は…、ここでお茶を飲んd」「「駄目です」」 「二人して言わなくても良いじゃない…うぅ」 そう言いながら泣きまねをする幽々子様、この光景は何度見たことか。 「……はぁ」 …先が思いやられる。 「うわ、何これ」 倉庫に入ってみて一言目がこれである。 そこら中に埃が溜まっていて、物もグラグラですぐに落ちそうな状況である。 「…やるっきゃない」 こうして私と倉庫の戦いが始まった。 「……ふぅ、やっと終わった」 開始からおよそ二時間前後、やっとこさピカピカになり、物もしっかりと整頓された。 「おー、綺麗だな、こりゃー」 と、いきなり入ってきた○○さんが感想を漏らした。 「ええ、そうでしょう。…って、サボっちゃいけませんよ!」 「大丈夫だ、妖夢が何時も掃除してくれたおかげでこっちは少しの労働で終わった」 ……神様、非情すぎます。 ――――ドサドサッ! 「え? あ!なにやってんですか!」 なぜか○○さんがせっかく私が整理したところを散かしたのだ。 「ここはな、こうやって…」 そう言って自分で散かしたところを形を変えて直していく。 「それでこうやると…。ほら、こんなに隙間が出来た」 なんと場所は変わらないのにさっきより少し物が置けるスペースが出来たのだ。 「す、凄い…」 「…妖夢、お前は掃除も半人前なのか?」 「う…」 あれを見せられてしまっては反論も出来ない。私は只俯くだけだった。 「ん、まあ、これからだろ」 「…へ?」 初めて慰めに似た言葉を聞いたので、思わず目が点になってしまった。 「それよりも、あとこことここが…」 ――――ドサドサッ またまた私が整理したところを散かす、と言うよりは外に出した。 そしてまた自分で整理してスペースを空ける 「あと、こことここと…」 ――――ドサドサッ ……私はそこまで下手なのか? 大掃除が終わった頃にはもう日が沈みかけていた頃だった。 「あー、終わったわね」 「幽々子様やってなかったのでは…?」 「失礼ね、ちゃんとやったわよ」 「さいで」 三人ともお茶を飲みながらゆったり話をしている。 「…あと何時間かしら?」 「さぁ?」 「ここに除夜の鐘なんて無さそうだし」 「あ、そう言えば幽々子様。今年は宴会しないんですか?」 「ええ、今年は少しゆっくりして…」 そんな言葉を幽日々子様の口から聞けるなんて…。 「三人で飲むわよ!!」 訂正、やっぱり大晦日にゆっくりなんて言葉は幽々子様は絶対言いません。 「はい…」 「ん」ズズズズズ… この人は…。興味が有るのか無いのか全然わからない…。 ――――三人での宴準備中… 「ねぇ、○○」 「ん?」 「これ」 そう言って取り出したのは伝説の水道水(酒の銘柄)である。 「それを?」 「これを、こうするの」 妖夢の杯(お酒はあまり飲まないで甘酒)に注ぎ込んだ。 「…今更だが…。妖夢は、大変だな」 ――――結果 「○○さ~ん、飲んでますかぁ~?」 「…お前は飲みすぎだ」 べろべろに酔った妖夢の出来あがり。 それを見た二人の反応はというと、 「あら、これは面白いわね」 「…ストレス溜まってんだろうな」 一人面白がり、一人同情。 ちなみに片手に水道水、もう一方に杯と酔っ払い親父の格好である。 「飲みすぎじゃないれすよ~」 「……っていうか絡み酒だな」 そして現在○○に絡み中。 またまたちなみに、普段は絶対に見せない酔っ払いの顔で○○に枝垂れかかるようにして飲んでる。 「私のお酒が飲めないんですかぁ~!?」 そう言って○○を睨みつける。が、酔っ払って緩んでるのか、全然迫力が無い。 「お前の酒じゃないだろ」 「そんな事は関係無いですよぉ~」 そんな事お構いなしに飲みつづける。 「………この妖夢は苦手だ…」 「あら、あなたとあろうものがお手上げ?」 「相手してみれば嫌でもわかる」 「ちょっと~、何話しているんですか~?」 「い、いや…」 酔っ払い妖夢強し。 ―――数分後(○○達には数時間と感じた) 「ふみゅ~」 「お、おい妖夢? …って、寝たのか」 「御疲れ様」 「あー、どうも」 そう言った後、妖夢の安心した寝顔を見て、頭をなでながら。 「しかし・・・、酷使し過ぎじゃないか?」 「大丈夫よ。たぶんね」 「…そうかな」 「それより、あなた…本当に良いの?」 「ん? ああ、良いさ」 「別に、違う日でもいいと思うんだけど…」 「逃げ道を与えたら、その分弱くなるから…な」 「大変ね」 「たぶん、二百由旬(たしか1200キロ)を掃除するよりは簡単だと思うがね」 「……それだけなら、ね」 「……確かに」 「それじゃ、飲みましょ?」 「ああ、ちょっと待ってくれ。妖夢を布団に寝かせておかないと…」 そう言って妖夢を背負ってたちあがる。 「面倒見、いいわね」 「……普通、だな」 その顔には酔っ払いと違う赤らみがあった。 <夢の中> …あれ、ここは? っていうか目の前に顔つきの鉄の塊が…? 名づけるとしても、人面……なんだろ? 『僕、○ーマス!!』 うわぁぁぁぁぁぁ! じ、人面鉄塊がしゃ、喋った!? 『機関車、○ーマス(森○レオ』 どこからか、声が!! 何これ!? 『“みょん、切れる” という、お話(やっぱり森○レオ』 みょん!? なんですかそれ! 『このお話の出演は(悲しいけど森○レオ』 終わった!? 私一言しか喋ってないですよ! 『○ーマス。そして魂魄妖夢(くどいが森○レオ』 なぜ私が!! ってういかお話じゃありません! 『僕、○ーマス!!』 ゆ、夢だ。これは夢です!! <悪夢です> 「うわっ!! ……あ、本当に夢だった」 それにしても、何だったんだろうあの夢は…。 「え~っと、私、何時から寝てたんだっけ…? って、今日は正月! …あれが初夢!?」 あの初夢は悪夢だ、今日は悪い事が起こりそうです…。 「とりあえず、朝食の用意を…」 そう言って台所に向かう。 「あら、おはよう」 「ゆ、幽々子様!? なぜそのような事を!?」 なぜか台所で幽々子様が朝食の準備をしていたのだ。 「あら、偶には楽をさせたいって言う私の優しさよ」 「は、はぁ…」 「あ、そうそう。○○からの伝言」 ○○さんから? っていうか、幽々子様に伝言をさせるなんて…。 「今日の、稽古は…夜だけよ。しかも子の刻(11時)に、らしいわ」 「そうですか?」 子の刻に? …○○さんは何を考えているんだろう? 「それより、昨日の事覚えてる?」 「昨日の事、ですか? …え~っと」 …駄目だ。あの鋼鉄の人間しか頭に出てこない…。 「あらあら、重症ね」 「???」 「さて、私は朝食の用意があるから妖夢は休んでなさいな」 「……はい。……?」 小首を傾げながらも、暇なので庭へと向かう。 「おう、残念だがここにも仕事は無いぞ」 庭には来てみたものの、○○さんに仕事を取られていた。 「…なんで二人とも私の仕事を無くそうとしてるんですか?」 「俺は気分でやってるだけだ、やりたきゃやりゃ良いが?」 …でも、向こうがやってくれるなら良いか。 「あ、そうそう。聞いただろうが、今日は子の刻にやるぞ」 「なんで子の刻にやるんですか?」 「……正月だから、だな」 「?」 やっぱりわからなく、小首を傾げる。 「ほらほら、俺が居なくても稽古は出来るだろ?」 「そりゃ、そうですけど…」 「ま、夜までのんびりしてるんだな」 そう言った後、○○さんは一人で黙々と掃除をはじめた。 …そういえば、一人でも稽古できましたね。 <シリアスぶっ飛ばし注意報> ――――そして、夜 いつもと同じ場所に来てみると、普段は私よりも遅く来るはずの○○さんが居た。 「…来たか」 「来ました」 「……妖夢、今日は稽古じゃねえ」 「?」 「これが出来ればお前は一人前だ」 「え? そうなんですか?」 「……それはな、………殺し合いだ」 ○○さんの口から出た衝撃の一言。 「なっ、何を言っているんですか!?」 「お前と俺で、生死を賭けた真剣勝負だ」 「な、なぜそんな事をしなければ!」 「……なら、逃げるか? 逃げて、俺に殺されるか? 何もせずに、死ぬか?」 「…………!」 「いいか、これはお前が死ぬか一人前になるかの戦いだ。お前は、一人前になりたいんだろ」 「しかし、そこまでしないと一人前にならないんですか!?」 「…殺し合いにまでしないとお前は本気の本気が出せそうに無いからな」 「…しかし!」 「くどいぞ、妖夢。殺し合いの中にだって色々ある」 「………」 「時間が惜しい、始めるぞ」 そう言うと、○○さんは私ほどにもある刀を取り出した。 (…殺し合いの中にだって、色々ある…か) 私も、楼観剣と白楼剣を取り出して構える。 「行きます!」 「…ああ」 最初に仕掛けたのは妖夢だった。 素早く懐に入り、左からの切り上げ。それを○○は下がって避けた。 妖夢は切り上げに使った力をそのまま利用し、回転して真横に切った。 ○○は剣を縦に斬撃を受け止める。 ――――ガキンッ!! 鉄と鉄がぶつかる音。その音が鳴り終わる前に妖夢は下がっていた。 この間わずか、数秒。 「…まだまだだな」 次に仕掛けたのは○○。 妖夢の間合いに入らないようにしながらも刀を素早く振ってきた。 それを妖夢はギリギリで避ける。 と、○○が放った下の斬撃を妖夢は大きなジャンプで避けてしまった。 「! しまった!」 「言った筈だ! 飛ぶときは隙を作らないようにしろとな!」 ○○は下にある刀を両手で持ち、空中の妖夢に向かって切り上げる。 「くっ!」 妖夢はこれを二本の刀でガードするが、そのまま切り上げられて両方の剣は思いっきり上に上げられてしまった。 (拙い!この状況では必ず斬撃が…!元に戻す時間すらない!) ○○は軸足を使い回転し、そのまま斬撃を―――― ――――ザシャァッ!! せずに後ろに下がった。 (!?) その行動に妖夢は困惑したが、そのまま○○に向かって直進で走ってきた。 それを見て○○は真横に刀を切った。 (しゃがんでいれば蹴る。…飛ぶ、はずは無い。) そう○○は読んでいた。 ――――ブオンッ! やはりしゃがんだか、そう○○は思っていたが、妖夢は違うところにいた。 (なっ!) 妖夢は――― (刀に乗るだと!?) そのままのスピードで刀に乗り、○○に向かって走っていた。 そして、○○の胸辺りに足を乗せ、剣を刀の柄に当てて、 「はあぁぁぁぁ!!」 剣を思いっきり横に振り、○○の手から刀が離れた。 そして胸の上で思いっきり飛びあがった。 ――――ドサッ 「ちっ!」 飛びあがった妖夢は二つの剣を逆手に持ち替え、○○の喉元目掛けて――― 「やあぁぁぁぁ!!」 ――――ザシュッ! ――刺さず、喉ギリギリ所の地面に刺したのだ。 …負けたか。しかし、まさか剣の上に乗られるとは思っていなかったな。 「妖夢、強くなったな」 「……な…で」 妖夢が何かを言った気がしたが、良く聞こえなかった。 「?」 「…なんで。……なんで、あの時切らなかったんですか!!」 良く見ると、叫んでいた妖夢は涙を流していた。 「妖夢、そういえばお前は俺の事を一人前、一人前って言ってたな」 「質問に答えてください!!」 「………わかった。…それはな、妖夢。お前が好きだからだよ」 「なっ…」 「俺はな、半人前なんだよ」 「半人前じゃありません!! 立派な、一人前じゃないですか!!」 「…妖夢、なぜ一人前だと思える?」 「そ、それは剣術が凄く上手いですし…」 しどろもどろになりながらも答えてきた。…が、 「妖夢、お前は一人前について何か勘違いをしている」 「え…?」 「……一人前ってのはな、剣の腕なんて二の次なんだよ」 「どういう……ことですか…?」 「一人前の条件はな―――――― ―――――たとえ、大切な人でもぶった切れる人のことを指すんだよ」 「……え」 …やはり、驚いたか。無理も無い。 「つまり、どんな大切な人でも、どんなに好きな人でも、戦いには余計な感情なんだよ、それは。 敵になれば、まったく関係なく切れる人のことを指すんだよ、一人前ってのは」 「待ってください! なんで、それを知ってるんですか…?」 「……昔な、俺もそう考えてた。一人前ってのは強い人のことを指すってな。 …だが、そんな考えは一気に覆されたよ。………ある日。俺の同じ剣道場に通っていた奴がな…」 ここで一旦区切る。 「…その人が、何をしたんですか?」 「俺が住んでいた村の人間を、全員切り殺した」 「!!」 「俺は理由を聞いたさもちろん。そしたら奴は『俺は一人前だからな!』って言ってきたんだよ。そして、俺にも切りかかってきた。 ………俺は、とっさに奴の刀を奪って切り殺したよ」 「…………そ、そんなの、人間じゃ…ない」 「ああ、そうだ! 人間じゃねえ! だから俺は、一生半人前という道を選んだんだよ!!」 「そう、だったんですか…」 「…そうだよ。………妖夢」 「…なんですか?」 「俺を、―――殺せ」 「な、なぜですか!」 「お前は、一人前になりたいんだろ?」 「なりたく…なんか、…ありません! そんな、そんな一人前になんか、絶対に!! だから、あなたを、殺しません!!」 「……だが、無理…だ」 「なんで!!」 「お前も知っている通り、俺は只の人間だ。そんな只の人間が冥界に居て良いと思うか?」 「……普通は、思いません」 「そうだろ。…それでな、あの桜に、生命力奪われてんだ」 そう言って、一番でっかい桜を指す。 「さ、桜に…?」 「そう、でも幽々子にあの桜を止めてもらってたんだが…どうやらその封印が効かなくなってきたらしい」 「でも、また封印しなおせば…!!」 「無理だ、封印を解いた瞬間に桜に一気に生命力を奪われて終わりだよ。そうしたら、俺はあの桜の一部になってしまうのさ」 「な…!」 「だから、妖夢。殺せ」 「変わらないじゃないですか!!私が殺しても、桜に殺されても!」 「良く考えろ。桜に殺されたら未来もへったくれも無いがな、人に殺されれば、転生の可能性があるだろ」 「あ…」 「わかったか? ……妖夢、俺がお前に殺されたら。その刀持っておいてくれ、また来るからな。 早くしろ、時間が無い」 「…しかし、私にはあなたは…殺せません。…でも、また会えると、なると…」 「妖夢!! 何を迷ってんだ! …その白楼剣は、…迷いを断ち切る刀なんだろうが!!」 「!!」 ――――ズパッ!! 「…あ、ああ……」 時間が無い、もしかしたらまた会えるかもしれないとは、わかっていた。 しかし、 『自分の好きな人を躊躇無く、迷い無く殺してしまった事』 が妖夢は許せなかった。 「あああああああぁぁぁぁぁ! 私が、私がああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ああああああぁぁぁぁぁっ!!! あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 妖夢は胸の苦しみに耐えながら叫び、泣きつづけた。 ○○との様々な思い出がよみがえる。 (0.25人前だ! あははははは! なっ…!) (なんであなたがそこにいるんですか! なんでってな、風呂に入っているからいるんだよ) (あ!なにやってんですか! ここはな、こうやって…) 一つ一つの思い出が胸の苦しみを強くし、心を傷つけた。 それでも、妖夢は叫びつづける。 その叫びは、二百由旬もある庭だけでなく、冥界全体に響き渡った。 そして、どのくらいたったのだろう。叫び、泣き疲れた妖夢はその場に倒れた。 ――――○○の死体は無く、その場には、妖夢と、二本の剣と大きな刀が残されていた。 <『僕、○ーマス!』> 「…私は?」 目がさめて一番最初に視界に入ってきたのは、天井だった。 「あ、目がさめたかしら?」 「幽々子様…、私は…」 「何も言わなくて良いわ、全部、知ってるから…」 「そう、ですか…」 「彼が死んだことは、残念だわ。…でもね、妖夢。○○は、何も残さずに死んだわけじゃないわよね?」 「…ええ、私に、大事な事を、残して…死にました」 「ならば、その事を忘れずにするのが、あなたの勤め。違う?」 「いえ、その通りです…」 「…○○の剣は、しまっておいたわ。…また会えるかもしれないからね」 「…………」 「さてと、あなたは休んでなさい」 「…はい」 そう言って幽々子様は出ていった。 「………あなたが言った事は、絶対に忘れません」 <心にも無いことを・・・> 「そういえば…そんな事があったっけ。なんで、私忘れてたんだろう…こんな大切な事……」 鞘に収まったとても大きい剣を見ながら妖夢は静かに泣いていた。 「………あなたの言っていた事は、もう、忘れません」 そう言って涙を拭いて出ようとしたときに、 ――――ドサドサッ! (あー、こことここと…) 「え!?」 それは意地悪ながらも不必要な事はしなかった、紛れも無い○○の声だった。 ――――ドサドサッ! (駄目だな、妖夢は。掃除は半人前じゃだめだぞ) その声に妖夢は、涙を拭かず、怒りの表情に喜びの色を添えて。 ○○との思い出の刀を 「やりすぎですっ!!!」 思いっきり蹴飛ばした。 End ~~~~あそ(び)がき~~~~ どーも、最近寒いですね。 さて、世間話は置いといて。捨てて。焼いて。炭にして(ry 今回は妖夢のお話でしたが…、皆様どうでしたでしょうか? 今回もシリアスが全快です。たぶん前回よりも。 なんで他の人は甘いの書いているのに貴様だけなんでシリアスなんだー! って思っていらっしゃる方、ご尤もです。 だがしかし、自分が考えるイチャスレとは、チョコみたいなものなのです。 基本的に甘いですね、様々な人が甘いのを作ってくれておりますから。 ですが、その中にちょっとした苦味を入れてみては、どうでしょうか? そうなると味がより一層、引き立つと思うのです。 だから、自分はシリアスなSSを書きます。しんみりさせます。そしてその後に他の人の作品を見て、萌えて、笑ってください。 ………あとがきまで真面目に書いてどーすんだ…。 さて、真面目を抜けてっと。 実は、妖夢もフランドールも続きを考えております。 二つを繋げて、ハッピーなエンドにしつつ、少しカオス(混沌)風味? なんじゃそりゃ。 ついでにフランと○○の出会いとか、風邪引いたときの○○と慌てるフランとか、考えてます。 …投稿していいか、正直迷ってます。できれば意見を聞かせてくれると…。 …あかん、これも真面目や…。 さて、今回も改造シーンを…。 改造、1 飛びあがった妖夢は二つの剣を逆手に持ち替え、○○の喉元目掛けて――― 「やあぁぁぁぁ!!」 ――――ザシュッ! 「グハッ!!」 「私の勝ちです!! これで一人前ですね!」 「………そうだな」 改造、2 「彼が死んだことは、残念だわ。…でもね、妖夢。○○は、何も残さずに死んだわけじゃないわよね?」 「いえ、何も残してません」 「…本当?」 「ええ」 「え、えーっと…、犬死?」 「誰が犬よ」 「…そこのメイド、帰りなさい」 さて最後、森○レオさんにしめてもらいましょう!!(何 『このお話の出演は。○○、幽々子、○ーマス、森○レオ、咲夜。 そして、妖夢。 でした』 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 595(うpろだ0001) 如月 某日 白玉楼に新たな住人、○○を迎え入れる。 話を聞く限り、幻想郷の外の世界から冥界に迷い込んで、そこを妖夢に発見されたみたい。 妖夢が○○を連れて来た時は、上手くやったわねって言いそうになったけど…… そういう仲じゃなかったのが、少し残念ね。 ○○は生きた人間だから、冥界のみんなが少し騒がしい。いずれは慣れると思うけど……。 如月 某日 冥界も落ち着きを取り戻し、今日も私は書をしたためる。 日記って、毎日つけるものなのかしら?書きたい時に書けばいいじゃない。 ○○が冥界に迷い込んだ原因、私なりに考えてはみたものの、やっぱり紫が何かしたのかしら。 ……ううん。きっと寝返りでもうったのよね。 解ることだけ○○に伝えたら、素直に受け入れてくれた。意外と順応性あるのね。 春になれば起きるから、○○にはその時まで我慢して貰いましょう。 如月 某日 『世話になるばかりでは悪いから』 と、○○に何か手伝えないかと聞かれた。 雑事は全て妖夢が片付けてくれるから、将棋の相手でもしてもらおう……そう考えていた矢先に、 『では家事の手伝いをお願いします』 そう言われて、妖夢に連れていかれてしまった。 ……取り残されたのはちょっと寂しいけど、晩御飯は期待出来るわよね? 弥生 某日 暖かくなって来たから、今日は外で妖夢と剣の稽古。 雪ももうすぐなくなるから、そうなったら庭師の仕事も再会ね、妖夢。 私に打ち込んでくる剣閃を見つつ、そんなことを思う。 やっぱり、以前にも増して速く、鋭い。私だって、受けるのだけで精一杯。 私達を離れた所から見ていた○○は、相当驚いていた。 妖夢が庭師というのは伝えていたはずだけど……外の庭師は、剣は使わないのかしら? 弥生 某日 普段なら絶対に寝ている深夜に目が覚めた。 遠くから玉砂利を踏む音と、何かの風切り音。 狼藉者なら、妖夢が切り捨てるはずだけど……。 愛用の槍を手に、そろそろと庭の方を見渡す。 ――結局、音の主は木刀で素振りをしていた○○だった。 話を聞くと、私の稽古を見てから、毎晩こうして訓練しているとのこと。 気持ちは何となく解るけど、とりあえず夜は止めて~。 弥生 某日 私の稽古の相手に、○○を指名する。 二人とも驚いていたけど、これもちゃんとした睡眠のため。 加えて、妖夢の庭師の仕事の手伝いも行ってもらう。 見て習うなら、近くで見る方が勉強になるわよね。 ……でも、最近妖夢の様子が少し変なのが、ちょっと気になるのよね。 もしかして……風邪かしら? 弥生 某日 ○○が私に助けを求めて来た。 妖夢が妖忌みたいに、とても厳しく指導でもしたのかしら? ……と思っていたら、実は全く逆みたい。 妖夢に指示を仰ごうとすると、自慢の駿足で逃げられてしまうのだとか。 仕方が無いから、彼には私のおやつでも作って貰うことに。 そのうち、個別に妖夢に話を聞いてみることにしましょうか。 そんな意地悪する子じゃないのに……どうしちゃったのかしら? 弥生 某日 妖夢に先日の件について、それとなく尋ねてみる。 もちろん、逃げられたら私も追い付けないから、逃げられないように罠は張っておいたけどね。 でもいざ捕まえたら、意外と素直に話を聞いてくれたのには、何か拍子抜けしちゃったかしら。 でも、妖夢自身、どうしてそうしたかが解らなかったみたい。 じゃあ○○が嫌い?って聞いたら、真っ青になって首を振ったのには驚いたけど。 いやいや妖夢。若いっていいわねぇ。 ……私もまだぴちぴちだけどね。妖夢はどちらかというと幼い、かしら? 弥生 某日 二人の仕事の休憩時間。 それとなく屋敷を回ってみたら、縁側で二人の姿を見付けた。 肩を寄せ合って、一緒に日だまりの中で眠っている姿を見ていたら、自然と笑みがこぼれてきた。 おしどりみたいに仲が……って、違うわね。おしどりの雄は浮気者だから。 庭の桜の木々は、ぽつぽつと蕾を付け始めている。 ……西行妖は、去年のことが祟ったのか、蕾を付ける気配すらない。 桜は、枯れる直前に最期の力で、盛大に花を咲かせるっていうけど……。 卯月 某日 桜も咲いて、今日は庭でお花見。 ……って、ねえ妖夢?何でそんな疲れた顔してるのよ。 え、桜餅が見たくない? いやいや、いつもお花見にはこれくらい必要よ。弱音なんて吐いちゃ駄目でしょ? なおも唸る妖夢に甘酒を呑ませたら、すぐに泥酔して寝込んでしまった。鍛え方がまだまだ足りないわねぇ。 結局、お花見は○○と二人ですることに。○○は、妖夢よりは呑めるみたいね。 酔って来た所で、それとなく妖夢について聞いてみた。 ……いやいや、○○。そういうことはちゃんと妖夢に直接伝えてあげなさいな。 もう……妬けちゃうわねぇ……。 卯月 某日 もうすぐ紫も来ることだし、呼び出して二人の気持ちを確認する。 ……そういえば妖夢には、紫が起きたら○○が帰れること、言ってなかったのよね。 話の最中、ずっと泣きそうになってたけと……○○が帰らないって言ったら、我慢出来ずに泣き出してしまった。 ○○……こんな頼りない子だけど、大事にしてあげてね? 卯月 某日 紫がようやく起きたみたい。まだちょっと寝ぼけまなこだけど、家族総出で遊びに来てくれた。 そういう訳で、今日もお花見。 今日は妖夢は一滴も呑まないで、ずっと○○の側で大人しくしていた。 紫がそんな妖夢をからかっていたけど、しっかり○○が守っていた。 紫と対峙出来る人妖なんて、そういないのに……恐いもの知らずかしら? それとも……ふふ、愛の力かしら? 最後には、○○が紫に飲まされて、ぐったりしていたけどね。 卯月 某日 紫も起きたことだし、久しぶりにマヨヒガへ遊びに行く。 妖夢が『お供しましょうか?』って聞いて来たけど、それじゃあ何のために私が行くのか解らないじゃないの。 何人たりとも通しませんからって、意気込んで留守番を引き受けてくれたから、私が帰るのも大変そうね。 ……あら?そういえば泊まるって言ったかしら? 皐月 某日 何局目か解らないくらい牌を打っていた所で、紫の式が部屋に入って来た。 どうやら、玄関先に妖夢達が来ているらしいわね。 まあ、ニ週近く帰ってなければ、心配もされちゃうけど……。 でも私もまだ遊び足りないから、最後に○○も交えてサンマで半荘打つことに。妖夢は打てないからね。 最初は渋ってたけど……勝ったら妖夢をあげるわ、って言ったら、いきなり目付きが変わってた。 ふふ、愛されてるわねぇ。 ○○は結構善戦していたけど、最後に紫の国士無双が○○に直撃。 楽しかったけど……紫。スキマ使って、私の牌持って行ったわね? 皐月 某日 しばらく家を空けていた間に、庭の桜は散ってしまっていた。 もうほとんど葉桜だけど、例外が1本だけ。もちろん西行妖。 西行妖は相変わらず葉すらも付けず、それがちょっと寂しい。 夜になって、○○に顔色が悪いんじゃないかって言われたけど……幽霊だもの、当然じゃない。 皐月 某日 日光を過度に遮らない西行妖の下は、最近の私のお昼寝場所になりつつある。 暖かくていい所だけど……今日は不思議な夢を見たのよ。 目の前に妖忌が立っていて、妖忌は私が見えていないみたいで、ただただ上を見上げていた。 私が振り返って見上げると、そこには大きく枝を広げて咲き誇る、大きな桜の巨木。 ……きっとこれが、妖忌が見た満開の西行妖なのね。 その日の晩は、妖夢と○○に、揃って顔色が悪いのではないかと言われた。 もぅ……心配無用よ。根拠はないけど。 皐月 某日 毎日ご飯は美味しいけど、今日は5合しか食べられなかった。 例によって、また2人に心配される。今日は事が事だけに尚更ね。 心配されてばかりのも何だから、不意を突いて2人に抱き着いてみる。 ふふ、やっぱり2人とも子供ね。それに暖かいし。 また近いうちに、紫に会いに行こうかしら。 水無月 某日 最近、ちょっと西行妖が気にかかる。 お昼寝する度に、見たこともない、それでも懐かしい夢を見る。 夜に床で寝る時は、ぐっすり寝れるのに……。 そういえば、さっき寝間着姿で歩いていく妖夢を見たけど……厠かしら? それとも……ふふ、頑張ってね、妖夢。 水無月 某日 今日は○○が庭師の仕事を代わっている。 理由は……まあ、言うまでもないわね。 遠目に見ていて思ったのは、あまり厳しくないけど、何だか昔の妖忌みたい。 きっと40年くらい修練すれば、今の妖夢と同じくらいにはなれるかも。 今はまだ危ないから、西行妖には近付かないように言ったけど……危なくないかもしれないわね。 水無月 某日 梅雨も近く、今日は雨。 何だか気になったので、西行妖を見に行った。 葉も付けず雨に濡れて、ただ佇んでいるだけの西行妖が、何だか淋しそうだった。 ……最近、何だかずっと西行妖が気になって仕方がない。 そういえば、この根本に封印されてるのは誰だったのかしら。これも未練かしらね。 水無月 某日 先日の雨のせいか、ちょっと風邪気味。 庭師の仕事は○○に任せて、妖夢が付きっきりで看病してくれた。 お粥は美味しいけど、やっぱり前に比べて食が細くなったかも。 今までの件もあるし、妖夢に一層心配されてるわね。 ……近いうちに、紫に会って聞かなきゃいけないわね。 文月 某日 昨年読んでいた、西行妖に関する書をようやく見付けたので、この日記と一緒にマヨヒガへ持って行く。 2人に『紫の所へ行ってくるわ』って言ったら、いつ戻るか尋ねられた。 前みたいに長居はしないし、長くても2日3日で戻るつもりよ。 ……戻れたらね。 文月 某日 4日ぶりに白玉楼に戻る。 私の帰りを待ってそわそわしている妖夢を遠くから眺めていたら、あっさり見つかってしまった。 あまり時間もないことだし、マヨヒガでの出来事をここに残しておくわね。 結論から言うと、大体私の考えが会っていたの。 だから、これからそれを記して時間を無駄にしたくないから、真相は紫に聞いて頂戴ね。 「あ、○○。調度いい所に」 「幽々子様、俺に何か……?」 庭師の仕事を終えて、戻って来た玄関先で、彼は幽々子に呼び止められた。 始めて会った頃よりも肌は白く、どこか痩せたようにも見える幽々子は、手に一冊の本を抱えていた。 彼女の服と同じ、空色の表紙。その厚さは鈍器にもなりかねない。 「明日になったら、これを妖夢に渡してくれないかしら?」 「別に構いませんが……何処かに出掛けられるんですか?」 受け取ったその本は、見掛けに反して軽かった。 「……そうね、これからちょっと遠出するのよ。だから、貴方から妖夢に渡して頂戴」 「病み上がりなんですから、無理はなさらないで下さい」 「ふふ。大丈夫よ、途中までは紫も一緒だから」 玄関を出た所で、幽々子は振り返る。 「それじゃ○○、妖夢をよろしく頼むわね」 「え、幽々子様……?」 彼がまばたきした一瞬、幽々子の姿はそこにはなかった。 慌ててその姿を捜し、彼は玄関先へ飛び出す。 ――彼が見つけられたのは、季節外れの桜吹雪と、その風に乗って飛び去る蝶だけだった。 文月 某日 こんな形になってしまったけど、この日記からあなたたち2人へ、最後になるかもしれないお願いをするわね。 2人とも末永く、幸せに暮らして頂戴ね。 白玉楼を護っててくれたら、もっと嬉しいけど……やっぱりそれは贅沢かしら。 それに、2人の晴れ姿が見れなかったのが残念だけど、代わりに紫に見てもらおうかしらね。 それじゃあ、輪廻の先で縁があったら、また一緒にお花見でもしましょうね。 西行寺 幽々子より 幾多の季節を越え、今年も冥界に春がやって来る。 白玉楼の桜は、毎年変わらず見事な花を咲かせていたが、その庭には一箇所だけ花が咲かない場所があった。 「…………」 月明かりに花が映える宵。 妖夢は、草木の生えないその一角で、地面をじっと見詰めていた。 ここは、かつて西行妖があった場所である。 幽々子がいなくなってから間もなく、西行妖も冥界から姿を消した。 冥界に存在する全ての霊は、いずれ転生するためにここを去っていく。 西行妖は寿命を迎えて。 幽々子は、西行妖の封印が必要なくなったため。 「やっぱり、ここにいたんだ」 声に振り返ると、そこには太刀を腰に下げた○○が立っていた。 「○○さん……すみません」 「いや、こっちが勝手に探してただけだから。 ……大丈夫?」 俯いて、妖夢は首を振る。 「春が来る度に、帰って来そうな気がするんです。 でも、こうして待っていても幽々子様は……」 「きっと、帰って来るよ」 桜が散るように去って行った彼女は、桜が咲くように帰ってくるのだろう。 彼はそう信じ、彼女の言葉を守り続ける。 大切な従者を、任されたのだから。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 656 白玉楼に一人の男が門をくぐる。 「よ」 「……ああ、貴方ですか」 人の癖に存在感が薄く、まるで幽霊のようだといわれるせいか制限時間付きながらも幽明結界を越えることができた。 だからこうしてたまに白玉楼のメンバーに会いに行く。 「そうそう、今日は土産付きだ」 「この前みたくザ・ソースとか持ってきてませんよね?」 「いや、アレはやりすぎた。すまなかったな」 毎度の庭師との会話。そして持っていたビニール袋を…… 「『桜のジェラート』だッ!!」 両手で掴み、いったん高く飛んでから落下しつつ庭師に渡す。 「……はあ…………」 「URYYYYYYYYYYYYY!!!」 「その辺にしてください」 人が必死にDIO立ちしてるのにただ白楼剣の峰でぶったたかれる。 「いや痛いよ妖夢妖夢痛いよ」 ───────────────────────────────────────────────────────────
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05月 2011年 Noesis 珈琲貴族 鈴鹿美弥 原画 珈琲貴族 シナリオ 鈴鹿美弥 8 :名無したちの午後 [sage] :2011/05/28(土) 09 01 56.46 ID oUvXig4M0 個人的にはCure Girlがそこそこ良かった 9 :名無したちの午後 [sage] :2011/05/28(土) 09 27 33.28 ID oezmDbvW0 8 kwsk 10 :名無したちの午後 [sage] :2011/05/28(土) 10 32 39.03 ID oUvXig4M0 共通はヒロインと会って話題を振って選択肢次第で好感度上下して・・・って感じのダルいゲーム 結構難易度高くて油断すると告白失敗したりするw 個別では一応シリアス的なパートがあったりなかったりするけど、基本的には山場もなく進む 怜奈√が特に顕著なんだけど、日がな一日主人公の部屋に二人で引きこもってダラダラ過ごすような日常が全編にわたって展開される いわゆる睡眠導入ゲーが好きならおすすめ だたしBADでレイプあり 11 :名無したちの午後 [sage] :2011/05/28(土) 11 05 43.02 ID Uy79z8TU0 よっぽどシナリオを重視しててBADも見ないと全部の謎が明かされないとか以外のBADは全部無視してるんで問題ない 誰得 12 :名無したちの午後 [sage] :2011/05/28(土) 11 22 08.93 ID 5nrRnwww0 Cure Girlは俺もやったが、まずテキストが退屈すぎるのとイチャもあんまりなかった気が 絵ゲーだと思う。イチャラブ目当てでやるのはおすすめしない つーかあれか?ここはイチャラブちょっとでもあるならおすすめしてええんかね? じゃあ俺グリザイアの果実おすすめするぞw 13 :名無したちの午後 [sage] :2011/05/28(土) 11 37 57.59 ID lwH2ZUDr0 お勧めしていいのか? と問われればいいと言うが それでフルボッコにされても責任はもてない まあ結局は個人の裁量だからな 俺的にはCUREGIRLもグリザイアもこのスレで扱うレベルのものじゃないし CUREGIRLはイチャ成分よりダラダラ成分が多すぎる グリザイアは個別からラストまでシリアスが続くから合間にイチャ入れられても集中できない上に そのイチャの質も高くない、エロイチャはまあキャラによってはそこそこだけど
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文16 新うpろだ38 「秋の夕日~に~照~る山~椛~(セリフ:ワタシ、人形じゃありません!)♪」 「呼んだか?」 「いんや?」 紅葉狩りに来てみたら白狼天狗に出くわした。 「こんにちわ、犬走さん、射命丸は?」 「こんにちわ。あちこち取材へ行ってらっしゃるのでどこにいるやら……」 ですよねー。まぁいいや。 「山の一人歩きもあれだから付き合ってくれないか?」 「ああ、かまわない、丁度暇をもてあましていたところだ」 そう言ってにこりと笑った。控えめな笑い方をするんだな。 山道を二人で歩いていく。傍らにいる天狗は特に気にする様子もなく、自分はというと、 あちこちの鮮やかな木々にきょろきょろとせわしなく目を移らせていた。 「凄く綺麗だなぁ」 「そうだな。今年の紅葉は色づきがいい」 二人して大きなイチョウの木を眺める。自分のいた世界では感じることが出来なかった、 風情を、こちらに来てから強く感じることが出来るようになった。 冗談抜きで一句詠みたくなってくる。 「銀杏散る……」 「うん? 俳句か」 良く分かったな。一言で。 「銀杏散る……地の葉眺めて、実を拾い」 「君と往く この秋の道 鮮やかに」 正直、すまなかった。慣れないことはするものじゃないな。 しかも犬走さんうめえ。見たら勝ち誇った目をされていた。笑いあう。 さくさくと軽い音をさせて、山道を進む。色とりどりの山道は疲れを感じさせない面白さがあった。 「ん? いま何か通った?」 不意に何かの気配を感じた。 「ああ、猪だな、おお、子連れだ」 千里眼って便利だな。風呂覗きって出来るのかって聞こうと思ったが聞かないでおいた。 自分だって命は惜しい。 「この辺でいいかな」 「何をするんだ?」 「落ち葉拾い」 言いながら適当な葉を捜し始める。 赤い葉、黄色い葉、茶色い葉。色鮮やかな紅葉は拾うのも楽しい。 手ごろな大きさで形が綺麗な椛の葉と、銀杏の葉、イタヤカエデ、カツラの葉も。 「うっし、こんなもんか」 持って来た袋に入れて満足げにうなずいた。 「何をするんだ?」 「大したことじゃないさ」 不思議そうな顔をする彼女にそう答えた。 帰る途中に寄り道。そこには機械文明臭のする家がある。 インターホンを鳴らすと、ほどなくしてドアが開いた。 「やあ人間。いらっしゃい」 河童が出迎えてくれる。 「やあにとり、『アレ』、貸してもらっていいかな?」 お土産に持ってきた朝もぎのきゅうりの包みを渡して訊ねる。 「ああ、『アレ』ね、いいけど、シートはみつけたのかい?」 中身が分かっているのか彼女は上機嫌だった。 「うん、だから素材も取ってたんだ」 袋の中身を見せながらにやりと笑う。河童も頷いて 「いいよ、活用されるのを見てみたいし」 「ありがとう。電源、借りるよ」 言うより先に差し込んでいる。 スイッチを入れるとランプが点灯する。とりあえずこっちは準備を進める。 準備してきた紙片に拾ってきた葉をあてがい、大きさを確かめていく。 サイズが合うのを見つけると、紙に載せそれを持ってきた素材ではさむ。 「さて、いい頃合かな」 こちらの準備は大丈夫だ。『アレ』も正常に動いている。 「どうなるかわくわくだね、人間」 「発言が⑨みたいになってるぞ、にとり」 そして、作業を開始した。 「ふぅ、ただいまー」 まぁ一人暮らしでも言ってしまうんだよな。 時々射命丸が勝手に入ってきててびっくりするけど。 彼女曰く、「鍵をかけないほうが悪い」のだそうで。 まぁ、取られて困るのはあそこにある秘密のコレクションくらいか。 あー、鍵、作ってもらおうかな。 そんな事を考えながら居間に上がると真っ暗な部屋に赤い目が! 「うぉあ!」 おもわず後ずさる。 今日ほど家に鍵をかけなかった事を後悔した日もあるまい。 「……お帰りなさい」 明かりをつけたら射命丸だった。びっくりさせて、もう。 「あ、ああ、射命丸だったのか。ただいま、でも電気くらいつけろよ」 なんだか凄く変な感じだ。何だろう、彼女の元気がないと言うか、怒っているというか。 「ご飯食べた? 俺まだだから食べてないなら」 「今日、何してました?」 「一緒に、……って、へ?」 「今日、何してました? って、聞いたんです」 相変わらず顔は険しいまま。 「えーと、今日は、紅葉狩り行って」 「……誰と」 更に険しい表情になる。 「一人で行ったけど途中から犬走さんがついてきてくれたよ」 「……それから」 「それから河童のところへちょっと寄り道してたな」 「……なにをしに?」 もう爆発寸前と言う顔。どうしたっていうんだ。 「これをプレゼントしようと思ってね」 取り出したのは数枚の栞。 「これは……?」 「ほら、いつも射命丸、あちこち取材してるし、文花帖持ってたからさ、栞をプレゼントしようと思って。 ただの栞はいやだったから、自分で落ち葉を拾いに行って、それをラミネート加工したんだ」 さまざまな葉をはさんだ栞。下に敷いた紙片一枚一枚に木の説明があって、手作りだと分かる。 見た目は小さなスペルカード。角にリボンが通りしてある。 「香霖堂でラミネート紙を見つけてさ、いても立ってもいられなかったんだ」 険しかった彼女の顔が驚きに変わり、そして困惑。 「じゃあ、椛と楽しそうに歩いてたのは?」 「一緒に来てもらうんだから会話くらいするだろ?」 「河童の家へ行ったのは?」 「ラミネート機を直してもらったんだよ。そしたらどうやって使うのか見てみたいってさ」 「でも、でも」 「なんだ、見てたのか?」 「うぅ、だって話しかけようとしたら、椛が出てきて……楽しそうに話してたものだから」 「浮気とか考えたのか」 「だって、だって、○○は皆に優しすぎます! 疑っちゃうじゃないですか!」 「人当たりがいいのは俺の性だ、それに」 涙を流して気持ちをぶつけてくる射命丸を抱きしめる。力一杯に抱きしめる。 「俺はお前の恋人だろう」 「……っく……えぐっ……はい」 抱き返してきた射命丸の頭を優しく撫でてやる。 「心配なんです。○○がだれかに取られちゃうんじゃないかと」 「じゃあいい言葉を二つ教えてあげよう」 ユーゴー曰く、愛することは、ほとんど信じることである。 トルストイ曰く、愛とは,大勢のなかからたった一人の男なり女なりを選んで、ほかのものを決して顧みないことである。 小さな声で、耳元に囁く。 「俺は、射命丸を、愛している」 「ぐすっ、私も、○○のこと、愛してます」 「信じたか?」 「はい……」 見上げた彼女の瞳がゆっくりと近づいてくる。 慰めでも、ごまかしでもない。愛を与え合う、そんな接吻。 静かに時だけが流れていった。 「でも何故栞だったんです?」 「ほら、射命丸いつも文花帖持っているじゃない、だから使ってくれたら一緒にいられるな、って思ってさ」 「ッ! うう……もう、○○はどうしてそうなんですか!」 抱きつかれて胸に顔をうずめられる。抱きしめ返すくらいしか出来ないが、喜んでくれたんだろう。 「ずっと、ずっと大事にしますから」 「ああ、でも壊れたらまた作ればいいさ」 いいえ、はじめてもらった栞だから、と彼女は顔を上げてすこし涙の溜まった目で笑った。 抱き合いながら呟く。二人にしか聞こえない。 「絶対誰にも渡しませんよ、全部私だけの○○です」 「俺だって射命丸を誰にも渡す気はないさ。俺だけの射命丸」 愛の表現は惜しみなく与えるだろう。 しかし、愛の本体は惜しみなく奪うものだ。 有島武郎 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ60 最近幻想郷では、神無月限定の外界ツアーが流行っている。 特に外来人の恋人がいる者が多く申し込んでおり、何組ものカップルが旅行を楽しんでいる。 俺にとっても里帰りの機会だが、まだ行っていないし、多分これからも行かないだろう。 俺の恋人である文は主催者側で広報などに携わっており、企画の周知はほとんど彼女が行った。 それだけでは終わらず、月が変わったら文々。新聞で大々的に特集を組む予定がある。 今も帰ってきた旅行者の話をまとめて、記事の原案を作っている最中だ。 忙しいことこの上なく、とてもプライベートで旅行に行っている暇などない。 そんな文を置いて一人で外へ行くつもりは毛頭ないわけで、 俺は作業中滞りがちな家事などを担当し、文のサポートに回っている。 「文ー、少し休憩してお茶にしないか?」 「―そうですね、もうちょっとできりのいいところまで出来ますので」 ならもうちょっとかかるか。先にお茶を淹れておこう。 鉄瓶に沸かしておいたお湯を急須に注ぐ。 さてお茶請けを、と。 外界からの土産は月明けの宴会で交換し合う予定だが、個人的にはもういくつかもらっている。 「懐かしいだろうから」と、皆色々くれたのだが、戸棚の中にしまってあるのもその内の一つだ。 「おーい、文?お茶請け、外土産の『ひよ子』でいい?」 ……あれ、返事がないな。 仕方ないので湯呑みを出しながら待っていると、足音がした。 「○○さん」 「ん、どうしたあ、や―」 振り向くと、そこには文が立っていた。 なんだか蒼白な顔をしている。 「あれほど鶏肉は食べないでと言ったのに……」 とりにく? 「しかも外界土産とはいえ、いたいけなヒヨコを……それは、私に対する絶縁宣言ですか?」 ブラウスの裾をぎゅっと握り締め、震えている文。目には涙が浮かび始めている。 ちょっと待て、何か盛大な勘違いが― 「もう……もう、私に愛想を尽かしたって言うんですか?」 「わーっ!誤解、誤解だー!!」 「饅頭なら饅頭と言ってくださいよ……」 「いや、だからそういう名前の饅頭なんだって」 二人で『ひよ子』を食べながら座ってお茶を飲む。 現物を見せることで、無事誤解は解けた。 「しかし、我ながらちょっと取り乱しすぎました。 根を詰めるのも程々にした方がいいですかね」 ふう、とため息をつきながら文が言う。 「少し休んだ方がいいんじゃないか? 仮眠を取るとか、気分転換するとか。ずっと忙しそうだったし」 「……そうですね。それでは、後でミスティアさんのところに行きましょうか」 「お、いいね」 「何だか、外からのお土産をヒントに新メニューを開発したそうですよ。 まあ、まだ開店までは時間がありますし、仮眠を取ることにしますね」 そう言うと文は側に寄ってきて、俺の膝に頭を乗せて横になった。 ……えーっと。 「あの、文さん?」 「こうするのが、一番元気になれそうですから。 しばらく、貸してもらってもいいですよね?」 「……ああ、いいよ」 優しく髪を撫でてやると、文は間もなくうとうとし始めた。 やはりここ数日で、疲れがたまっていたんだろう。 やがて、小さな寝息が聞こえてきた。 ちなみに、みすちーの屋台の新商品『夜雀のお菓子 八目鰻パイ』は― まあ、なんというか、美味しかったけど外のあれとは全く違ったものだった。 ただ体力増進効果は抜群で、残りの原稿作業が大いにはかどりそうではある。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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イクチェウイチャシャ(イクチェ・ウイチャシャ) 北アメリカのスー族の神話に登場する神。 太陽のすぐそばにいる存在。 関連: ウェオタウィチャシャ (ウェ・オタ・ウィチャシャ、父) 別名: イクチェハ イクチェウイ
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藍7 新ろだ2-087 霜月の終わりのとある朝、雪が降った。それは今期の初雪であり、僕がこの幻想郷に来てから初めて見 る雪でもある。 雪が降らない地方に生まれた僕の眼には、地に積もるほどの雪はとても新鮮に映った。 降雪の新鮮さは僕の心に歓喜を生み、同時にお腹の辺りに心地よい疼きを生じさせた。 疼きの正体は童心なのだろう。二十歳を過ぎて数年の僕にも、どうやら残っていてくれたらしい。 疼きに招待され縁側に腰掛けた僕は内心の歓喜のままに口ずさんだ。 「雪やこんこん あられやこんこん――」 ――あれ? 続きはなんだったか……。 降っても降っても? 降っては降っては? 歌い始めから躓いてしまった。何せ童謡を口ずさむのなんて数年ぶりだ、すっかり忘却の彼方なのであ る。 顎に手を当て歌詞の続きを思い出そうとしていると、背後から声をかけられた。 「……それを言うなら、『雪やこんこ、あられやこんこ』だろう?」 振り返るとその声の主――八雲 藍さんが、すぐ傍に立って僕を見下ろしていた。 「あぁ、藍さん。どうもおはようございます」 「うん、おはよう○○。今日は初雪か……。そうか、もう、冬になるのだな」 「道理で寒いと思ったんだ」と言って藍さんは身を抱くように二の腕をさすった。起き抜けなのだろう、 薄い寝巻きのままだ。そのまま藍さんは縮こまるように僕の隣へと腰を下ろした。彼女の頭から生えてい る狐の耳がぴくぴくと震えている。 今の彼女はとても隙だらけに見える。光栄なことに、無防備な姿を晒してもらえるくらいには彼女と馴染 めているらしい。 「それで○○、その歌の件だ。『こんこん』ではなく『こんこ』。よくある間違いだが…… 九尾の狐たる私の前では間違えないでほしいな。鳴き声じゃないんだから」 口元に手を当てくつくつと苦笑する藍さん。一見意地悪に思えるような仕草も、彼女が行うとそれはとて も可憐に写る。どうやら今朝の彼女の機嫌は良いようだ。背後に見える九本の尻尾が静かにゆらゆらと揺 れている。やはりとても可憐だ。 「あぁいえ、間違っていることは承知で歌っているのですよ」 「あれ、そうなのか。それはまた何でだ?」 「大した理由ではないのですけれど……。これは幼少時の癖でして。 ずーっと『こんこん』と歌っていたものですから、中々直せないのですよね……」 この歌を教わった当初から長い間、僕は当然として周囲の友人すら揃って間違えて歌っていた。 それは間違いを指摘された後でさえ無意識に「こんこん」と歌ってしまう程度には、結構な期間だった。 「だから僕はずーっとこの歌のことを、『雪原で遊ぶ狐の歌』だと思い込んでいたのですよ」 「あぁ……まぁ、その気持ちは分からないでもない」 雪だコンコン、あられだコンコン。そうやって、狐が歓喜の声を上げているとばかり思っていたのである。 妖狐である藍さんと知り合った現在、僕の想像の中では幼く縮んだ藍さんが雪原で無邪気に駆け回って―― いや、やめよう、この想像は危険だ。あまりに……可愛すぎる。 「……どうしたんだ○○? 突然俯いたりして」 「い、いえ、なんでもありません。なんでもないんです。 ちょっと紫様に頼んで――いやいや、やっぱりなんでもありません」 「は、はぁ……、そうなのか……」 駄目だ、実現する手段――紫様の能力――が明確に存在する分、性質が悪い。 僕のたくましい妄想の中では、既に幼い藍さんが雪遊びの後、僕と一緒にお風呂に……いやいやいやいや。 「そ、そういえば狐の鳴き声って聞いたことないんですよね、『コンコン』とよく言われてますけど……」 実際どうなんですか? と顔を上げ、誤魔化しがてら隣の藍さんに問うと――彼女は、とても微妙な表情 をしていた。 「あ、あれ? 何かまずかったですか?」 「いや……、何も問題はない。問題はないんだけど……」 「鳴き声……鳴き声か……」と言って両手で顔を覆うと、今度は藍さんが俯いてしまった。肩が微妙に震 えている。 どう見ても問題ないようには見えない。僅かに覗く彼女の頬が赤く染まっているように見えるのは気のせ いだろうか? 心配になって僕が藍さんの肩に手を置こうとした瞬間、バッと顔を上げ彼女は慌てたように喋りだした。 「――っま、まぁあれだ! 狐というのは元来、そんなには鳴かない動物だから!」 「あ、そ、そうなんですか。じゃぁ僕が聞いたことがないのも当然ですね……」 焦ると少し言葉が砕けるのは、彼女の癖だ。普段とは違って――失礼な話だが――女の子らしい口調にな る。 そういった時の藍さんは、平素の凛々しさから反してとても幼く感じられる。 藍さんのそんな可愛い様を見られることは、彼女と一緒に居る時に得られる数多くの役得のうちの一つだ。 「とにかく、僕が『雪』を歌うとき思い浮かべる情景は、雪原で狐がコンコンと鳴いている様なんです。 だから今でも『雪やこんこ』ではなく『雪やコンコン』と歌って……って、あの、藍さん? 本当に大 丈夫ですか?」 「……ええ、大丈夫。本当に大丈夫なのよ、○○」 まだ言葉が砕けている。要因は分からないものの、どうやら藍さんは今相当焦っているらしい。 この話題はこの辺で打ち切っておくべきだろう。……藍さんの精神的平和のために。 「とりあえず歌詞が間違っていることは事実なのですし、修正していく方向で考慮させていただきます」 「う、うん。間違ってることは修正しないとな」 僕は日本人らしく遠まわしな言葉で訂正することを誓った。昔からの癖をそう簡単に直せるとは思わない のだが。しかし藍さんの挙動も口調も落ち着いてきたので、この話題もこの辺が落ちどころだろう……と 思ったその時。 安心するのはまだ早い、とばかりに響く声が一つ。 「あら、あながち間違いじゃないわよ、その歌詞」 多少の艶と多分の胡散臭さを内包したその声に、僕と藍さんが後ろを振り向くと…… そこには、スキマからニュッと上半身を出して頬杖をついている美女――八雲 紫様が居た。居られた。 ニヤニヤとした笑顔を満面に貼り付け、「さぁ、今からからかうわよ!」と言わんばかりである。 僕と藍さんが二人して呆然としている内に、紫様は続けて話し出した。 「確かに狐は殆ど――一年の内にひと月の間くらいしかきちんと鳴きはしないけど、それはまだ雪の降る 季節なのよ。 だから雪原で鳴いている狐、というのは間違ってないわ」 「あ、本当に雪の時期なんですか。ということは近い時期なんですね」 先に復活した僕がそう返すと、紫様はその胡散臭い笑顔をより一層楽しそうに深めた。 「ふふ……そうね。○○なら近い内に聞けるかもしれないわよ。それはそれは極上の、狐の鳴き声を――」 「ゆ、ゆゆゆゆゆ紫様!?」 何故だか突如焦りだす藍さん。 「だって、狐が鳴くのは年に一度の――」 「紫様! お、お戯れはそこまでにしてください!!」 「イヤン、藍ったらこわぁい」 何かを言おうとした紫様の言葉を、慌て立ち上がった藍さんの声が遮る。今度は先の比じゃない程の慌て っぷりだ。 藍さんが紫様に口出しするのを見るのはこれで二度目だ。とても珍しい。遮られた言葉の先は余程重要な 内容なんだろう。 興味は尽きないが、マヨヒガの新参者である僕が立ち入っていい話ではないかもしれない。今はただ黙す るのみである。 「まぁそれは置いといて、それよりも藍、○○」 「はぁ……。なんでしょうか? 紫様」 「はい? 僕もですか?」 「初雪も降ったことだし、私はそろそろ『眠る』から」 そう、冬は雪の季節であると同時に、紫様の『冬眠』の季節なのだ。とは言っても僕は話に聞いていただ けなのだけど。 冬眠……紫様は冬の三ヵ月間、飲まず食わずで眠り続けるらしい。言うまでも無いが、人間が出来る行為 ではない。 改めて実感する。目の前でたおやかに微笑んでいる絶世とも呼べる美貌を持った女性は、妖怪なのだ。 「かしこまりました。では本日からお眠りになるのですか?」 「そうね、霊夢に挨拶に行ったら眠ろうと思うわ」 慣れたように受け答える藍さんに少し驚く。毎年のことだと聞かされてはいたのだが、やはり違和感は拭 えない。 「はぁ……紫様、本当に冬眠するんですね……」 「あら、○○ったら信じてなかったの?」 「い、いえ……ただ冬眠だなんて馴染みのないことだったので」 冬眠と言われて真っ先に思い浮かぶのは熊、というか獣の類なのだ。まぁそんなことを正直に述べたら殺 されるだろうから言わないが。 「……なんか失礼なことを考えられてる気がするけど、まぁいいわ。じゃぁ私は博麗神社に行ってくるか ら、後のことはよろしくね」 「あとのことも何も、普段から任せッきりじゃないですか……」 「何か言った? 藍」 「いいえ、何も。では行ってらっしゃいませ、紫様」 ボソリと愚痴を呟く藍さんに言及する紫様。しかし藍さんが平然と切り返す辺りにこの主従関係の実態が透 けて見える。 「……そう? じゃぁ行ってくるわね」 そう言ってスキマが閉じ紫様は消えた。あとに残るのは僕と藍さんの二人だけで、まぁ最初の状態に戻った だけともいえる。このスキマというのは何度見ても慣れず、本当に不思議なものだ。 中からギョロリと覗く大量の眼がとても不気味で、これからも慣れることは無いだろうな、等と漠然と思う。 「まったく……紫様はいつも唐突なんだから……」 苦笑しつつ、仕方ないなぁとばかりに誰にともなく呟く藍さん。言葉とは裏腹にその表情は何処となく嬉しげ で。いつも愚痴のような言葉を呟いている藍さんだけれど、その実はやはり紫様のことを心から慕っているの だろう。あまり彼女たち二人の過去については聞いたことがない僕なのだが、それだけは確信を持って言える のだ。 「行ってしまわれたか……」 誰にとも無く一言ぽつりと呟き、沈黙する藍さん。 何か考え事をしているのか無言で佇んでいる藍さんを、僕もまた無言で見詰めていた。 無言で続く無音の時。静寂というのは正にこのことと呼べるほどに、どんな音もが耳を訪れない。 鬱蒼とした森の奥地にぽつんと佇む此処――マヨヒガは本当に静かだ。普段から鳥獣の鳴き声すらめったに聞 こえず、更に今は風も吹いてないので尚更に静かだ。 本当に何の音も聞こえないときは逆に聴覚が敏感になるようで、普段聞こえない筈の音でも聞こえるような気 がする。 深々とした世界にしんしんと降る雪の音が聞こえる。ゆらゆらと揺れながら地を目指す綿雪の群れが、世界を 白く染め上げる。 世界を満たす空気が冷える音が聞こえる。凍え震え温もりを求めた世界は、他者から容赦なく熱を奪っていく。 藍さんのふっくらとした唇から漏れる吐息の音が聞こえる。世界に熱を奪われた空気が、藍さんの温もりに触 れ白く染まる。 トクントクンと脈を打つ自分の鼓動が聞こえる。不思議と穏やかな僕の心情を映すかのように、それはとても 緩やかだ。 ふいに藍さんがこちらを振り向き、ばっちりと眼が合った。じろじろと彼女を見ていたのがばれたのだろうか? いや、藍さんの表情は驚きを顕にしている。彼女も眼が合うとは思っていなかったのだろう。 多少の羞恥からか淡く頬を染め俯き、上目遣いに軽く睨んでくる藍さん。「ずっと顔を見ていたのか? ばか もの」と責めるように。 僕は苦笑し、視線で「すみません」と謝罪した。すると拗ねるように藍さんはそっぽを向いた。……とても可 愛いらしい。 とはいえ本当に拗ねたわけではないようで、数秒するとゆっくりとこちらを向きなおしてくれた。今度は彼女 の意図で視線が絡む。 妖狐だからという訳ではないだろうが、少し吊り気味な藍さんの瞳。目尻に浮かぶ色気に酩酊しそうになる。 極上の宝石も斯くやという程に深く輝きを湛える彼女の瞳。見つめると意識が吸い込まれそうになる。 微動だにせず僕と視線を絡ませている彼女の瞳。それはまるで彼女の意識に触れるようで……。 今この時、絡んでいるのは視線だけではないのだろう。僕の意識に彼女の意識もまた、同様に絡み合っている のだと思う。 こんな時が永遠に続けばいい――。 心の底からそう思えるのは、どれだけぶりのことだろうか。 しばらくの間僕と藍さんは二人、飽きることなく無言で見詰め合っていた。 「――さて、そろそろ朝食の準備をしようか」 俄に藍さんは視線を逸らすと、急くように立ち上がった。静寂の世界が一気に霧散する。 正直なところまだまだあの時間が続いてほしかったのだが、そういうわけには行かない。 僕にも藍さんにも、それぞれに仕事があるのだ。余韻に浸り、数秒遅れて「はい」と返事をした。 実に名残惜しかったのだけれど僕も立ち上がり、二人で台所に向かう。 その日から本格的に冬入りをしたのか、いつの間にか年を跨ぎ新年を迎えた今でも降雪は続いている。ここまで 続くと流石に楽しんでばかりも居られないもので、マヨヒガ唯一の男手である僕は毎朝の雪かきに追われること となった。 紫様も初雪の日に霊夢のところへ挨拶に行き、帰ってきてからはずっと眠り続けている。 本当に一度も目を覚まさないのだ。傍目には美女にしか見えない女性が眠り続けている様は自然と 「眠り姫」という単語を髣髴とさせ、矢張り絵になるものだなと勝手に思っていたのだが、このことを藍さんに 言ってみたら「ハンッ」と鼻で笑われることと相成った。……この主従は本当に不思議な関係で結ばれていると 思う。 ともあれこの数ヶ月ほどは特に異変が起こるでもなく、仕事と言ったら毎朝の雪かき、それと週に一度くらいの 頻度で藍さんが行っている結界の点検に付き合う程度で、こう言っては何だが「師走は何処に行ったのだろう? 」と思う程、実に暇な日々が続いている。 何かしら仕事がないと落ち着かない性分の僕には些か辛い月日だったが、それでも暇な時間にじゃれ付いてくる 橙ちゃんが居るので退屈だけはすることは無かった。……まぁその度に藍さんの鋭い眼光に晒され、大いに神経 をすり減らすこととなったのだが。 そんな冬のとある夜に、ことは起こった。 今思えば兆候はあった。その日は藍さんの様子がおかしいことに気付けていたのだから。 早朝起き抜けに出会った藍さんはとてもソワソワと落ち着きが無く、僕がかけた挨拶にも漫ろに返すだけだった。 その時点で「あれ?」とは思っていたものの特に気にはしなかった。下世話なことだし、藍さんには口が裂けて も言えないことだが、月のモノかと勝手に思い込んでしまったりもしていた。 それから一日中藍さんは挙動不審で、ぼーっと中空を見上げていたかと思うと突如顔を真っ赤にしてぶんぶんと 顔を振りだしたり、仕事の失敗で切ってしまった僕の指先から出た血をえもいわれぬ程艶やかな表情で舐めたり、 暇があれば構っていた筈の橙ちゃんを放置っておいたりもしていた。 そんな藍さんを見て橙ちゃんと二人で心配していたものだが、藍さんは何を聞いても「大丈夫だから……」と答 えるのみであった。 そう、僕は気付けていたのだ。藍さんの異常に、彼女の異変に。 藍さんには全幅の信頼を置いてしまっていることが災いしたのか、何の対処もとることが出来なかった僕はとて も馬鹿である。 とはいえ何か対処法を取ったとして、この事態を回避できたかと言えばそうではないであろうが。 でも少しばかりは心構えが出来ていたことであろう。その心構えがどれだけ脆いものであったとしても、今現在、 この異変が起こってしまった現在、ここまで焦ることは無かったと思うのだ――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――コンコン 四人の住人のうち三人が妖怪というこのマヨヒガは、そのイメージに似つかわしくなく家主の一名を除けば早寝 早起きがモットー、と言っても過言ではない程に健康的な生活習慣をいている。しかしその日は藍さんが何も注 意をしてこないことに気を良くした橙ちゃんが中々遊び相手から開放してはくれず、漸く寝かしつけたと思った らもう結構な遅い時間になってしまっていた。 橙ちゃんの部屋を後にし、自分の部屋を目指して縁側を歩いていた僕。ふと空を見上げると、満月が夜空の頂上 で淡く輝いていた。 満月に気付けた、人間それだけで何となく嬉しくなってしまうものだ。思わず頬が緩み、暫く立ち止まり丸い丸 い夜の象徴を眺めていたそんな時、何処からか獣の鳴き声が聞こえた。 クオン、クオン、クォォォォオン―― 短く、短く、そして長く。三度繰り返された不思議とよく通る鳴き声。それは自分の人生で聞いたことも無いよ うな鳴き声であった。 その時は単に珍しいなと思った。マヨヒガで暮らし始めてから聞こえる獣の鳴き声なんて橙ちゃんが従えている(?) 猫くらいのもので、もしかしたら居るであろう狼や熊などの野生動物の鳴き声はおろか、必ず存在すると言って いい妖怪の類の声も聞いた覚えが無いのだが。 クオン、クオン、クォォォォオン―― また聞こえた。大きさからするとこの声の主は結構な近くに居るのかもしれない。 しかし聞いているとなんとも、こう、切なくなるような鳴き声だ。哀願にも似た響きを持つその鳴き声は、 何故か誰かを求めているかのような雰囲気が感じられた。 勿論獣の言葉が分かるわけではない。分かるわけではないのだが…… クオン、クオン、クォォォォオン―― 何となく後ろ髪を引かれるような後味の悪さを感じつつ、僕は自分の部屋に引っ込んだ。 床に入ってからしばらくして漸く眠気が全身を満たしてきた頃、廊下からヒタヒタと足音が聞こえた。 恐らくは藍さんだろう、食後は姿が見えなかったが、外に用事でもあったのだろうか? 居間や玄関から藍さんの部屋へ行くためには僕の部屋の前を通る必要がある。今までも藍さんが僕より 寝るのが遅くなった時などは、よくその足音が聞こえていた。 なんとなくその足音に耳を澄ましていると、突然その音が途切れた。この部屋の前でだ。 何か僕に用事があるのか、それとももしかしたら藍さんも満月に目を奪われて立ち止まっているのかもし れない。僕が不思議に思っていると今度はスーッと襖が開かれる音がして、月光に照らされた一本の筋が 部屋に照らし出された。どうやらこの部屋の襖が開けられたようだ。 藍さんが、ノックをしなかった。これは驚愕に値する出来事である。誰よりも礼儀作法に煩い藍さんだ、自 らの日頃からの行いにもきちんと気を配っているのは周知の事実である。その藍さんが、深夜他人の部屋を 訪れる際にノックをしないなんてことがありえるであろうか? もしかしてこの人物は藍さんではなく紫様な のか? そう考えたら辻褄が合う気がするが、その紫様はまだ冬眠中の筈。雪も降っている現在、起きてく る何てことはありえるのだろうか。藍さんに聞いていた話だとあり得ないようなきがするのだが……。 纏まらない思考に耽っていると、どうやらその人物は僕の寝ている布団に近づいてきているようだ。廊下を 歩くのとは違う、畳の上を歩くペタペタという音がどんどん大きくなっている。 「○○……」 ふと良く透き通った声が聞こえた。非常に聞きなれた――藍さんの声だ。今度こそ間違いない、件の人物は 藍さんだと確定した。しかし普段とは違い彼女の声には多分に艶が含まれているような感じがして、そんな 声で自分の名前を呼ばれると妙な気分になってしまいそうだ。 「ら、藍さんですか。どうしました? こんな夜更けに」 その人物が藍さんだと言うことが分かり安心した僕は、上半身を起こし彼女に声をかけた。そして彼女の姿 を見上げるのだが……ここでまた僕は驚愕することになる。 幽鬼のように佇み僕を見下ろす藍さんは、なんと肌襦袢姿だった。 満月の生み出す淡く青い逆光に照らされた肌襦袢は透けて見え、弥が上にも彼女の流麗な身体のラインをは っきりと認識させられてしまう。 最近は割りと無防備な姿を眼前に晒されドギマギとさせられていたのではあるが、ここまでの薄着姿を見る のは流石に初めてである。 トサッ――と軽い音が聞こえた。 僕が思考を思い切り逸らして現実逃避をしている間に、藍さんは僕の上へと倒れこんできた。しな垂れるよ うにして背を逸らし、僕の体の両横に両手をついて、息が掛かるほどに顔を接近させてくる藍さん。こんな にも近くで目を見詰め合うのは初めてではなかろうか、いつだったかの初雪の日、縁側で見詰め合ったとき でさえこんな距離には無かったのだ。あの時ですら羞恥に顔から火を噴きそうだったというのに、今日はも う睫の本数すら数えられそうな距離である。今度は顔から火砕流でも出せばいいというのか。 顔面に全身の血液が集まったような錯覚すら受ける。おでこで熱を測られたら容赦なく寝かしつけられるの ではないかと思う程発熱してはいまいか。 「いつだったか」突然藍さんが喋り始めた。 「狐の鳴き声のことを聞かれたわよね?」 初雪の頃だったかしら? と彼女は誰に尋ねるでもなく呟いた。 狐の鳴き声。確かに聞いた覚えはあるが、自分の羞恥を誤魔化すための適当な問いであった。特に本心から 知りたいと思って尋ねた問いではなかった筈なのだが。 「はい、丁度初雪の朝でした。もしかしてずっと覚えていてくれたのですか?」と尋ねる僕。 「……えぇ、ずっと、ずっと心に引っかかっていたわ。貴方が尋ねてくれたこと、私が答えられなかったこ と」 僕の眼を真っ直ぐ見つめながら吐かれた言葉は熱に浮かされたかのように熱く熱く感じられる。一言一言ご とに、彼女の息が顔にかかる。その息はとても浅く、まるで風邪でも患っているかのようだ。 風邪、そうかもしれないと僕は思った。改めて藍さんの美しく均整の取れた顔を見てみると――暗がりなの であまりよくは見えないが――その頬は赤く染まっているように見える。 「藍さん、体調が優れないのですか? 」 急に不安になる。普段マヨヒガの業務をほぼ一人で行っている藍さんだ、知らず疲労が溜まっていたのかも しれない。 「そうね……胸が裂けてしまいそうだわ……」 その柳眉を軽く寄せて自嘲するように呟く藍さん。それでも瞳は逸らさぬままだ。 今気付いたのだが彼女の口調が砕けている。ということは彼女は焦っているのか? だとしたら一体何に? 「……狐の鳴き声、聴かせてあげる――」 そう言い藍さんは僕に圧し掛かったまま背をググッと逸らし顔を上げ、まるで狼が遠吠えをするかのような 体勢となった。 そうして聞こえた彼女(狐)の鳴き声は―― ――クォン 一度。 ――クォン 二度。 ――クォォォォオン…… 三度。 短く、短く、そして長く。三度繰り返された不思議とよく通るその鳴き声。 部屋一杯に反響し、世界を一瞬静止させる、どこか切ないその鳴き声。 それは紛れも無く先程縁側で聞こえた、見知らぬ筈の獣の鳴き声だった。 ――さっきのは藍さんの鳴き声だったんですね。 ふと、頬に冷たい感触がした。視界の端から伸びている藍さんの腕が見える。いつの間にか顔を下ろしていた 藍さんは、再びその顔を接近させ、何故か僕の頬を撫でるのだった。 熱い吐息とは対照的に冷たい手で、壊れ物を扱うかのように優しく僕の頬を撫でる藍さん。手が冷たい人は心 が優しいという俗説が頭をよぎるが、今ならばその説を強く肯定できるなと思う。 ――クォォォォン…… 今度は僕の瞳を見つめたまま、長めに一度だけ鳴いた。いつもはパチリと開けられている彼女の大きな瞳も今 は細められており、そして潤んでいる。その表情はとても切なげで、僕に何かを訴えているかのようだ。彼女 は僕に何を伝えたいというのだろうか? 鈍くなる思考で考えてみるが、何も浮かびはしない。 そんな僕の様子に焦れたのか、藍さんは不満げに眉を顰め、僕の胸に擦り寄るように抱きついてきた。勿論僕 は焦った。体重をかけていた腕から力が抜け、藍さんを上に乗せたまま仰向けに倒れこんでしまった。しかし 藍さんには全く焦った様子は無く、むしろ嬉しそうに目を閉じて僕の胸板に頬を擦り付けてきた。思考が停止 し、身体が硬直する。 「――今のが狐の鳴き声……○○は初めて聞くのよね?」 「え、えぇ、確かに初めてです。……とても綺麗な声でした」 「ふふふ……ありがとう。そう、初めて、本当に初めてなのね、嬉しいわ。……というよりは、そうでなくち ゃ嫌だったのだけれど」 僕が初めて鳴き声を聞くのが嬉しい? 藍さんが不思議なことを言った。 鳴き声なんてそれこそ偶然聞くしかないと思うのだが、何か僕に聞かれてはまずいことでもあるのだろうか。 「あの、良く分からないのですが、何か僕が狐の鳴き声を聞いていたらまずいことでもあったのでしょうか?」 「そうね……聞いていたとしたら、大問題だわ」 藍さんに大問題とまで言わせる何かがそこにはあるらしい。少し驚いている僕を無視する形で藍さんは言葉を 続ける。 「紫様も言っていたけれど、狐がちゃんと鳴くのは年に一度なの。それが今……発情期よ」 「はつっ!?」 「……何度も言わせないでほしいな」 恥ずかしそうに顔と狐耳を伏せながら言う藍さん。ぴくぴくと時々耳が震えているのは、羞恥に耐えているから なのだろうか。……すごく、かわいい。 「とにかく、狐がこの声で鳴くのは年に一度のこの時期だけ。――狐の鳴き声は、求愛の声なの」 「求愛……」 なるほど、と納得する僕。狐が求愛のときにしか鳴かないというのであれば、僕がその鳴き声を聞いたことが無 いというのも頷ける話だ。……聞いたことが、ない? ハッとして藍さんの方へ視線を向けると、顔を伏せていた筈の彼女と眼があった。いつの間にか顔を上げ、僕の 顔を見つめていたようだ。 そうして藍さんは僕の瞳を真っ直ぐ見据えたまま―― ――クォン 一度。 ――クォン 二度。 ――クォォォォオン…… 三度。 ――三度、鳴いた。 それは紛れも無い、どんな言葉よりも雄弁な―― 「藍……さん……」 呆然と彼女の名を呟いてしまう。これは夢なのではないだろうか? 毎夜のように始終都合の良い展開が繰り広げら れる夢――その中では僕と藍さんは恋人同士なのだ。 朝起きて目に入る藍さんの寝顔に黙ってキスをすると、彼女は静かに眼を覚ます。寝ぼけ眼の藍さんはうとうとし ながらも僕に抱きついて再度のキスを強請ってきてくれる。そんな彼女に勿論僕は喜んでその日二度目のキスをす るのだ。 台所に並んで彼女と朝食を作る。割烹着を着込んだ藍さんはその見た目通りに家庭的で、家事が大得意だ。微笑を 浮かべ鼻歌を歌いながら、機嫌よく料理する手を動かしている藍さん。味見と言いながら摘み食いをしようとする 僕の手を軽く咎めるようにはたき、頬を小さく膨らまして可愛く睨んでくるのだ。 昼になり藍さんと二人人里へ出かける。夕食の買出しを済ませると、そこから軽くウィンドウショッピングをする。 流行の洋服を体の前にあわせ感想を聞いてくる藍さん。どんな美しい装飾が施された衣装であろうと、彼女に着て もらうためだけに誂えたかのようにぴたりと似合う。「とてもよく似合いますよ」と決まり文句の、しかし心から の感想を述べると、藍さんは「いつもそればかりだな」と困ったように、それでも少し嬉しそうにはにかむ。 夕食を終え、風呂に入り、縁側で二人きりで月を見上げる。寄せ合う肩から藍さんの体温が伝わってきて深い安心 感が得られる。僕が横に顔を向けると、不思議と彼女もこちらを見つめてくれる。そんな時言葉は要らず、静かに 彼女と唇を交わす。 そして深夜、二人で寝床に入り―― そんな夢が、僕の夢が具現化したかのような今の状況。現実感が欠片も感じられない現状は、なんと紛れも無い現 実なのである。 僕に圧し掛かる藍さん。近づく顔。切なそうな表情。その全てがある事実を如実に物語っている。 嗚呼、僕はなんと馬鹿なのであろうか。彼女はこんなにも雄弁にその感情を語ってきてくれているではないか。だ としたら今、僕の目の前で不安そうに沈黙している彼女は、その返事を待ってくれているのではないか? 僕の応え を待ち望んでいてくれるのではないか? だとしたら、僕が今から取れる行動は、今から吐ける言葉は、たった一つ ではないか。 「――藍さん」 僕は決意を込めて再度彼女の名前を呼んだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――貴女を、愛しています。 その後藍さんがどのような反応を返してくれたのか、そして何があったのか、それは僕と藍さんだけの――紫様あた りは知っていてもおかしくはないが――秘密だ。 しかしこれだけは言える。あの晩にあった出来事は、僕の未だ短いと言える今までの人生の中でも、いや、これから の人生の中でもきっと、最良の、最高の出来事であったのだ。 ――好きです コンコン。 ――あなたを コンコン。 それは繰り返し繰り返し積み重ねられる、懇々(こんこん)とした愛の言葉。 (了) (チルノの裏) 本スレで「発情期」とか見掛けたのでジェバンニってみました。なので文章が色々とおかしいかもですがその辺は 多めに見ていただきたいなー、なんて。 さて、皆様狐の鳴き声を聞いたことはありますか? 私は生では聞いたことがありません。ネットの動画オンリーです。可愛いですよ、コンコン。 実際「コンコン」って感じではないのですが、それにしたって可愛いですので、皆様も探して聞いてみるといいの ですよ。 作中で描写した「狐は発情期しか鳴かない」とか言うのは、お察しのとおり出鱈目ですので信じちゃ駄目です。話 を盛り上げるための改変です。 ああそれにしても藍様に色っぽく迫られたらどれだけ幸せなことでしょうか。 ら、らんしゃまあああああああああああ!!!コンコン!!! ……げふんげふん。落ち着きましょう。 さてさて結構無理してジェバンニってみたので正直そろそろ体力の限界です。 読んで下さったイチャスレの兄弟達に最大の感謝を! それじゃあ私は昏々(こんこん)と眠らせていただきます。なんつって。どっとはらい。 新ろだ2-091 気がついた時にはびっくりした…俺はそれほどまでにあの人を愛してしまったんだ… 訳もわからぬ場所で襲われた俺を助けてくれたときの顔 ここがどこか至極丁寧に教えてくれたときの顔 人里まで送り届けてくれたときの顔 俺の見つけた職場に足を運んできてくれたときの顔 ちょっとサービスしたら嬉しそうにありがとうといった顔 透きとおってとして、堅実そうな声 他の者を心配するときの温かみのある声 俺のことをわがことのように喜んでくれる声 心底うれしそうに弾む少女の声 「あなたは、藍に強く影響を与えすぎたわ」 幾度となく雑談を交えた そのたびに、俺の話に一喜一憂する その姿が愛おしい 幾度となく顔を合わせた そのたびにおれに挨拶をしてきて、俺も挨拶を返す その時間が愛おしい 幾度となくその尻尾に触れた 俺から触っていいかといったこともあって、向こうから寄せてきたこともある その時間が愛おしい 「貴方に二つの選択肢を上げるわ」 気づいたんだ、俺がその人をとんでもなく愛していることに あの人の為なら俺は死ねる あの人を傷つける奴がいたらそいつを俺がぶっ殺してやる あの人がなく姿は見たくない あの人のすべてを知りたい 藍さんを俺は愛していた 「自分を捨てて藍への愛を伝えたら、その結果がどうあれここに残っていい 伝えるのが怖いなら、外に返すわ」 それはまさに俺の人生を決める選択 愛を伝えて答えてくれればそれはとてつもないハッピーエンド それを彼女がこたえなければそれはとてつもないバッドエンンド 愛を伝えなければおれは一生後悔する… それはまさに俺の人生を決める選択 黒か白か 右か左か 上か下か 灰色も斜めもありはしない あの人のことが愛おしくて、好きで好きでたまらなくて、でも怖い これじゃあ恋におびえた乙女のようだ…そんな柄じゃないけど 藍さんは美しい 女性にしては短くそろえた柔らかな金色の髪 少女のような純粋さと、大人の色気を含んだ端正な顔 やわらかな尻尾 そして…何よりもあの人の心が美しかった 「答えは決めたかしら?」 「はい…紫さん、藍さんは今、どこにいますか?」 「藍は今、私の命で人里のちょっと外れ、なかなか誰も来ないところにいるわ」 「…紫さん、今度とびっきりの特上の酒をおごりますよ」 「じゃあその時は、藍と橙も交えて一緒に飲みましょうね」 紫さんも存外いい女だった 「む、○○…どうしたんだ?こんなところに…」 「紫さんが教えてくださいました、ここにいると…」 「そうか…私に何か、用事か?」 「ええ、すごく大事な用事があるんです」 風邪が俺のほおをなでた 心臓が信じられないほど早く脈打つ ポケットに手を入れた 「藍さん…まずは、これ受け取ってほしいんです」 「ん?ああ…」 そう言って藍さんは、木彫りの箱を受け取ってくれた 「中を、見てください」 「ああ…失礼…これは…!!」 俺が渡したものは黄金色のネックレスだった 受け取った藍さんは、うれしそうにほほ笑んでくれた 「高価な物のようだが…受け取って、いいのか?」 「ええ、藍さんに、受け取ってほしいんです」 「あやややや、これは記事にしない手は…」 「出刃亀根性もほどほどになさいな」 「あややや!!あーーーーれーーーーーー……」 「私に、受け取ってほしぃ…?」 「はい…藍さん、次に、聞いてほしいことがあるんです…」 藍さんの顔が少し赤に染まった・…ここまできたら覚悟を決めろ…ああ、心臓が爆発しそうだ 「藍さん…おれは…」 「…」 「貴方のことを愛しています、初めて見たときから、あなたのことが…大好きでした」 言った、確かにおれは言い切った… 「…○○…」 藍さんの顔が一気に真っ赤に染まった そして、その尻尾をフルフルと振りながらこっちにゆっくり歩み寄ってきた 「おー、これは珍しい光景だなー…」 「貴方に盗める光景ではないわ、見せるのも惜しいもの」 「そりゃないぜ―…」 「○○、その…私も…お前のことが…」 藍さんは俺に抱きついてきて… 「好きだ…」 耳元でぼそっとその声が聞こえた 気がついた時にはびっくりした…あの人ははこれほどまでに俺を愛してしまったんだ… 新ろだ2-147 ○○「ねぇ藍様」 マヨヒガの台所に立ち、横の八雲藍に声をかける。 藍「どうした?○○。何か足りない食材でもあったか?」 ○○「いや、それは大丈夫です」 ○○も藍もお互いに顔をお互いの方には向けず黙々と今夜の夕食の準備をしている。 台所には包丁が野菜を切る音と煮物を煮込む音がこだまする。 そんな中、居候の○○はこう切り出したのだった。 ○○「俺と結婚してくれませんか?」 藍「あぁ、私もちょうどそう思っていたとこだ」 ○○「なんだ。お互いにお互いのこと思ってたんですね」 藍「ふふ、不思議なものだな」 そういって○○の首に手をまわした藍はゆっくりと○○の唇を塞ごうとすると・・・ 橙「藍さまー。○○ー何やってるんですか?」 台所に橙がやってきて首をかしげながら二人を見つめる。 ○○と藍は慌てて離れるが橙は何か勘違いしたらしくうれしそうに○○と藍に抱きつく。 藍は料理中だから危ないを言っても聞かずに抱きついたままだった。 ○○「やれやれ。結婚する前から子供いて大変だな」 藍「○○は嫌か?」 ○○は首を横に振ると軽くキスをする。 藍は驚くような顔を浮かべたが微笑んで橙の頭をなでる。 ○○もそれにつられて頬笑みを浮かべた。 今日もマヨイガは平和であった。 紫「ねぇ~ご飯マダー」 ○○、藍「あ」 8~< あとがき >~8- 紫「橙が子供なら私はどうなるのかしら?」 もちろん藍のお母さ(作者はスキマ送りに(ry
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《ソウルネイチャー》 ソウルネイチャー C 自然文明 (3) クリーチャー:エメラルド・モンスター 2000 このクリーチャーが破壊される時、墓地に置く代わりにマナゾーンに置く。 このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中から《ヤミノソウル》を1体選び、相手に見せてから手札に加える。その後、山札をシャッフルする。 作成者:牛乳 フレーバーテキスト DMO-05 「零明編(ブレイキング・ゼロ)第1弾」翠き魂。 収録セット DMO-05 「零明編(ブレイキング・ゼロ)第1弾」 参考 《ヤミノソウル》